三重県県土整備部は、海岸保全施設の計画的な維持管理を図ることを目的とした「伊勢湾沿岸海岸保全施設長寿命化計画」(以下、海岸長寿命化計画)の策定業務に着手した。2017年度末の策定を目指す。業務担当はパシフィックコンサルタンツ三重事務所(津市)、履行期間は18年3月26日。
県管理の海岸保全施設(堤防、護岸、胸壁)について、海岸長寿命化計画を策定し、施設の延命化によるライフサイクルコストの縮減、点検・修繕などの費用の平準化により、計画的な維持管理を行い、高潮対策、治水に対する安全性・信頼性を確保することが目的。計画期間はおおむね30〜50年とした。
対象地区は、桑名市の長島海岸から伊勢市の二見海岸の伊勢湾に面した海岸のうち、県管理区間の海岸保全施設、延長6万6715b。
海岸長寿命化計画策定に当たっては、国が14年3月に作成した「海岸保全施設維持管理マニュアル」(以下、マニュアル)に基づき、計画の目標や期間の設定を地区海岸別に示し、被災履歴や施設概要、防護機能、変状評価と健全度評価、点検計画、修繕計画などをまとめて、長寿命化計画を策定する。作成に当たっては、各建設事務所が16年度までに実施した海岸保全施設老朽化調査などのデータを元に現地確認を行いながら健全度評価を実施する。
健全度評価は、国のマニュアルに示された、Aランク「要事後保全」、Bランク「要予防保全」、Cランク「要監視」、Dランク「問題なし」の4段階で、Aランクと判断された施設は、工法検討を行い、その他施設で予防保全対策が必要と判断される場合は予防保全対策の工法を検討する。
なお県管理海岸のうち、鳥羽海岸以南の海岸についても、順次、海岸長寿命化計画を策定する考えだ。
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建通新聞社