県病院局は27日、「県立佐原病院の耐震改修に伴う病院運営影響等調査業務委託」の審査結果を公表した。公募型プロポーザルを実施していたもので、病院システム(東京都豊島区目白2―16―19)の1者が応募し、選定委員会の審査で最優秀提案者に決定した。県立佐原病院(香取市佐原イ2285)の耐震改修に向け、耐震改修基本計画を策定する。委託期間は2018年3月31日。1000万円(消費税込み)を上限に契約を締結する。
県立佐原病院は1955年の開設以来、地域医療の中心的役割を担っているが、74年に竣工した本館は、耐震性の不足が指摘されるとともに、施設の老朽化などの課題を抱えている。このため同業務では、佐原病院を取り巻く周辺状況の変化を踏まえ、運営・経営面への影響を精査するとともに、耐震改修が地域医療及び病院経営に与える影響を最小限に抑えることを前提とした改修計画を策定する。
具体的な業務内容は、@現況調査A耐震改修における課題抽出と耐震改修の方針案提示B耐震補強概略計画案の作成C耐震改修の工事施工中における運営計画案の作成D経営分析調査E老朽化対策F総合的評価及びまとめ、など。
現況調査では、設計与条件に必要な耐震補強可能位置、室移転可能箇所等を把握。そのうえで、耐震改修工事施工中の制約その他諸条件を考慮し、課題を抽出。課題の解決に向けた耐震改修の方針案を提示する。また、耐震改修工事の施工中における施設利用者や診療への影響等を最小限に抑えることを前提とした耐震補強概略計画案を作成し、絞り込み(複数案)の条件整理及び提案を行う。
絞り込んだ複数の耐震補強概略計画案の各案の具体的な工事手順を提案し、病院関係者と調整のうえ、耐震改修工事施工中の運営計画案を作成する。老朽化対策では、耐震改修工事に加え、施設老朽化の対応を検討し、改善策を提示する。
同病院は55年10月に開設。敷地面積は、道路を隔てた駐車場を除き1万4816・56u。建物は本館、南館、新館などで構成。本館が74年の竣工でRC造5階建て延べ5195・98u(建築面積1113・54u)。南館は85年の竣工でRC造3階建て延べ2341・78u(建築面積804・15u)。新館は96年の竣工でRC造5階建て延べ7535・43u(建築面積1433・11u)。ほかに機械室、旧コバルト棟、高エネルギー棟、医局ラウンジ、手術棟など。病床数は一般237床、結核4床の合計241床で、現在211床を運用している。