加賀市山代温泉のホテル百万石が全面改装される。ホテル経営などを手がけるビッググループ(大阪市)が、旅館再生事業として北陸で初めて取り組む案件で、8月中旬の本格着工、18年11月のリニューアルオープンを目指す。設計・施工は、同グループ会社のビッグ総合開発(同)が担当する。
ホテル百万石は、1907(明治40)年創業の老舗旅館。過去の全国植樹祭の時に昭和天皇が宿泊するなど、加賀を代表する旅館施設だったが、経営不振で12年9月から休業していた。施設規模はRC造8階建て延べ約6万平方メートル。同グループ会社であるピース観光(同)が土地と建物を取得した。
同グループの金沢孝晃会長によると、改装には事業費数十億円をかけ、内外装ともに純和風の造りとする。80〜90平方メートル規模の客室を200室収容予定。北陸新幹線金沢開業や今後の敦賀延伸を見据え、増加傾向にある南加賀地域の観光客を取り込みたい考えだ。リニューアル後は、旅館の名称を「国際観光旅館 加賀百万石」にする。
同グループは、関西を中心にホテルや旅館を運営しており今回、空白地だった北陸での進出となる。金沢会長は「今回がうまくいけば、新たな旅館の再生に取り組みたい」と述べ、北陸でのさらなる展開に意欲を示していた。