建通新聞社(神奈川)
2017/07/27
【神奈川】週休2日の条件整備など 神建協が県に要望
神奈川県県土整備局と神奈川県建設業協会(神建協)との懇談会が7月26日に横浜市内で行われた。協会は、週休2日制導入のための条件整備や、公共事業予算の増額確保、施工時期の平準化に向けた目標設定などを要望。県は週休2日制について、モデル工事を通じた工期への影響の把握、受注者との意見交換などを行いながら普及に向けた検討を進めるとの考えを示した。
冒頭にあいさつした県土整備局長の鈴木祥一局長は、「他産業と比べて高齢化が進展している建設業界にとって、担い手確保は喫緊の課題。働き方改革への取り組みがますます重要になってくる」との考えを示した。その上で、「皆さんと連携しながら生産性の向上や労働環境の改善に向けて、できることを一つ一つ進めていく」と述べた。また、全国各地で水害が発生していることを踏まえ、「地域の安全・安心を担う建設業は大切なパートナー。今後も変わりない協力をお願いしたい」と呼び掛けた。
神建協の小俣務会長は担い手確保について、地域一丸となった取り組みの必要性を強調。「地域建設業の社会的役割を十分に理解せずに、公共事業の単なる受注者との見方しかしていない」市町村などの認識を改めるべきとした。また、「地域建設業が今後も役割を果たしていくための第1条件」として工事量の確保を挙げ、工事量全体の増加や、地域間格差の解消などを訴えた。
今回、協会が要望したのは、公共事業予算の増額確保と地域への配分、施工時期の平準化、入札制度の改善、週休2日制導入に向けた条件整備、担い手確保のための支援体制整備など。
このうち、予算確保と地域への配分は、工事量の少ない状況が今後も見込まれるために要望したもの。協会は、地域建設業の再生発展のために公共投資の拡充・強化が不可欠だとした。地域配分については「必要と思える工事は多いものの、未実施のままになっている」との会員企業の声を紹介し、対応を求めた。
これに対して県は、2018年度予算の編成に際して、地域の活性化や東京オリンピックへの対応などに必要な予算確保に向けて国に積極的に要望すると回答。安全・安心と県土づくりを基本方針に据え、施策の緊急度や優先度を勘案して効果的な配分に努めるとした。
週休2日制の導入については、積極的に取り組む考えの企業が1割程度にとどまった会員アンケート結果を協会が紹介した。その上で、余裕期間の設定や、天候などを考慮した工期設定、所要経費を的確に積算計上した予定価格の設定を要望した。
県は、10件を超える土木工事でモデル工事に取り組んでいるとし、その結果から工期や労働者の収入などへの影響を把握する考えを示した。建築工事での取り組みについては、国など他発注機関の状況を注視すると答えた。
協会はこの他、関東地方整備局などの取り組みに触れた上で、施工時期の平準化に向けた県の目標設定と、その達成状況の公表を求めた。
これに対して県は、直轄工事とは規模や発注方法が異なるとして、目標設定に際しては、これらの違いを考慮した検討が必要とした。
提供:建通新聞社