17年の建設事業関係功労者等国土交通大臣表彰で荒井左官工業の荒井和夫氏が表彰を受けた。長年左官工事業に精励するとともに、福井県左官工業組合の役員(副理事長)として、地方業界への発展に寄与したことが評価された。
「頂けると聞いた時は、まずは驚き、そして喜びで溢れた。自分の会社は小さく、福井の受賞者4人の中に居るのは戸惑いもあったが、組合の皆さんのご協力のおかげ」と、感謝の気持ちを述べる。
「若いころは辛いこともあったが、転機は青年部に入ったこと。仲間が出来て、切磋琢磨して頑張ることができたと思う。今でも当時のメンバーとは、助け合いながら仕事をしている」と振り返る。
組合の副理事長については、「役にふさわしい人間ではないと思うが、先輩から『長くやってきて、そろそろ自分が左官業への恩返しの番だよ』と背中を押してもらった。皆さんのお引き立てのおかげで何とかやってこられた」。
「綺麗に、思った通りに仕上がると本当にうれしい。細かいことを一つひとつ大切にすること。何の仕事もそれが大切」。
自身の息子も同じ道に進み、組合の青年部に所属している。若手育成は建設業界の大きな課題となっているが、「組合にも若い女性職人が来てくれ、日々努力してくれている。勤務時間も長くなることもあり、大変な仕事ではあるが、お客様に喜んでもらう、そのやりがいをどう伝えるか」と強調する。
日左連のインストラクターも務め、後継の指導にも熱を入れている。これからも次世代育成に貢献し、大切な仕事を未来へつなぐために、努力を続けていく。
あらい・かずお
66歳 小学校時代の作文に『壁屋になる』と書いた。18歳で父の跡を継いで入職し半世紀近く、当時の憧れのまま、日々の業務に専念する。