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日本工業経済新聞社(山梨)
2017/07/24

【山梨】新トンネル建設は必要 甲府〜富士北麓結ぶ道路整備へ期成同盟総会

 県内の9市町村が加盟する「甲府笛吹富士河口湖富士吉田線促進期成同盟会」の総会が20日、笛吹市役所八代支所で開かれ、着実な道路整備推進に向けて、予算確保と計画的な実施などを決議。甲府圏域と富士北麓圏域を結ぶ新たなトンネル整備などを掲げ、要望活動を実施していくことを確認した。
 同盟会には、笛吹市、富士吉田市、甲府市、中央市、富士河口湖町、西桂町、山中湖村、忍野村、鳴沢村の市町村が加盟し、広域的な地域開発を基盤に据えて、甲府と富士北麓を結ぶ幹線道路の建設促進を目的に活動している。
 冒頭、会長を務める山下政樹笛吹市長は「(期成同盟会の発足から)50年の節目を迎えた。若彦トンネル開通を含めた要望の一部が供用となり、成果があったと感じる。リニア開通に伴う両圏域を結ぶ新たな道路の本格的な議論を進めるのが重要な役割と考える」とあいさつした。
 議事では、2016年度の事業ならびに決算報告、17年度の事業計画案および歳入歳出案を承認。道路整備が計画的に実施できるよう十分な予算確保を行うことなど4項目からなる決議を行い、若彦路沿線に関連する14事項の要望をまとめ、活動を展開していくことを会の共通認識とした。
 開会を宣言した副会長である堀内茂富士吉田市長は、「リニア開通の流動人口増加に対応するために要望路線の早期完成、両圏域を結ぶ幹線道路のさらなる強化が重要」と述べ、同じく副会長の樋口雄一甲府市長は「リニア開業による観光客の増加、災害に対する備えなど期待されるなか、決議が確実に推進されるよう強く要望していく」と語り、総会を閉めた。
【一覧:決議に盛り込まれた4項目と要望事項】
決議
 1 甲府・富士北麓圏域の特性・特徴を理解し、必要とする道路整備が計画的に実施できるよう、市町村の意見を踏まえ道路整備予算を十分に確保すること。
 1 地域間格差を是正し、活力ある地域づくりを推進するとともに、安全・安心の確保、豊かな生活環境の実現を図るため、地域の生活に密着した道路の整備を計画的かつ確実に推進すること。
 1 リニアを活用した地域振興と富士山噴火等大規模災害に備えるため、甲府富士北麓連絡道の計画路線への早期格上げと若彦路広域道路網の耐震強化・拡幅整備の推進による甲府圏域と富士北麓圏域を結ぶ幹線道路ダブルネットワークを構築すること。
 1 今後、更新時期を迎える既存道路ストックの適切な維持管理、更新を進めるために必要となる安定的な財源の確保及び市町村への支援を適切に行うこと。
要望事項
○「山梨県リニア活用基本構想」に明記する、甲府圈域と富士北麓圈域を結ぶ新たな卜ンネル整備の推進
○県道富士吉田西桂線の早期完成
○国道138号新屋拡幅の早期完成
○県道鳴沢富士河口湖線の早期完成
○国道138号(新屋拡幅以東)の拡幅整備
○河口湖精進線バイパスの建設促進
○河口湖北岸道路(県道河口湖精進線)の拡幅整備
○笛吹市(旧芦川村)から精進湖線(国道358号)までの路線整備
○笛吹市から新鳥坂トンネル(県道笛吹市川三郷線)までの交通隘路の整備
○県道山中湖忍野富士吉田線の延伸の建設促進
○(仮称)富士吉田北スマートインターチェンジの早期供用開始とアクセス道路の整備
○(仮称)富士吉田南スマートインターチェンジの早期供用開始への支援
○県道鳴沢富士河口湖線の延伸の建設促進、および若彦トンネルから国道139号へ接続するための路線整備
○国道139号(大田和交差点以西)の拡幅整備