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建設経済新聞社
2017/07/24

【京都】向日町駅東口開設官民連携調査 土地利用のモデルプラン示す ゼネコンらに意向調査も

 向日市が国土交通省の補助を受け実施の「JR向日町駅東口開設にかかる官民連携事業調査」の結果がこのほど明らかになった。
 調査対象はJR向日町駅周辺及び森本東部地区(JR東海道本線以東にある森本地区の一部)。JR向日町駅東側地域は工業地域で約8600u(現況は鉄道跡など)、森本東部地区(新産業拠点エリア)は市街化調整区域で約12万2500u(現況は田や畑など)。
 28年7月に森本東部地区まちづくり協議会が、森本東部地区地権者(農地所有者)の44者に実施したまちづくりに関するアンケート(配布44票、有効回収42票)によると、今後「農地以外の土地利用についても検討が必要」という意見に9割を超える賛同があった。
 土地利用転換の課題を整理すると、将来的に人口減少が進むと予測される中、新たに市街化区域へ編入することは困難なため、「市街化調整区域における地区計画制度を活用して土地利用転換を行う必要がある」とした。
 向日町駅東口関連事業の施設整備メニューとして、東口駅前広場(新設)、東口駅ビル(新設)、向日町駅橋上駅舎(新設)、東西自由通路(新設)、西口駅前広場(改良)を挙げた。
 東口駅ビルは、建築面積約2800u程度と設定。地下を駐車場等、1階〜2階を商業施設等と自由通路とし、3階以上を分譲マンションと想定する。整備では現行の容積率(200%)等を変更し土地の高度利用を図るとした。
 用途地域の変更、高度利用地区の設定で容積率を変更・緩和した場合の延べ面積は、300%で2万5800u(概ね10階建)、400%で3万4400u(概ね13階建)、500%で4万3000u(概ね16階建)と試算した。現行の200%で1万7200u(概ね7階建)。
 東口駅前広場は、駅ビル東側の約3300uの範囲に配置するとした。
 西口駅前広場は、現状の駅前広場用地と橋上駅整備で生じた用地を合わせて、小規模な改良整備を図るとした。
 向日町駅東口開設関連事業の事業用地としては約8600uの用地を想定。内訳は鉄道用地(現状未利用地)約5300u、駐車場用地約2500u、事業所用地約800u。
 新産業拠点エリアの土地利用モデルプランによると、南北軸の都市計画道路牛ケ瀬勝龍寺線を境に、東側は主に事業所用地とし、公園、住宅移転用地や沿道型店舗等誘導用地を配置。西側に農地を集約、一部は事業所用地とする。
 駅ビル整備の事業手法は、第一種市街地再開発事業(個人施行)が最も可能性が高いとした。
 新産業拠点エリアの整備手法は、換地手法を導入した土地区画整理事業の実施が望ましいとし、組合施行が望ましいとした。
 28年12月と29年1月に民間事業者11社(ゼネコン、不動産デベロッパー等)に対し、電話とヒアリングで意向調査を行い、9社が回答。駅関連一体整備事業には9社が関心あり、新産業拠点エリアの土地区画整理事業(組合施行・業務代行方式を想定)は6社が関心ありと回答した。駅ビルの規模は現行容積率200%で分譲住戸80戸程度の場合、6社が問題あり、2社が問題ないが意見提案がある、400%で240戸程度の場合、4社が問題なし、4社が問題ないが意見提案があるなどとなっている。
 なお向日市は、29年度事業で向日町駅周辺地区市街地再開発等調査業務をアール・アイ・エー大阪支社(大阪市北区)に委託した。調査対象区域は森本町他の約4・1f。業務期間は30年3月26日まで。調査をもとに東口開設に向けて必要となる駅前広場などの駅周辺施設について、鉄道事業者、土地所有者等との協議を重ね、基本計画策定を目指す。