県長生農業事務所は、県営かんがい排水事業茂原西部地区(茂原市)で本年度、下流側の茂原市茂原地先の52号隧道部約300mで路線測量や実施設計に着手する。事業費は1025万円を見込む。同地区は昨年度の採択地区。2016〜22年度の7か年で事業費9億1012万円を投入し、約3・9qの用水路をパイプライン化する。受益面積は約374ha。
同事業は、旧国営両総土地改良事業により造成された西部幹線用水路を改修し、茂原市の水田374haに対し農業用水の補給機能の向上を図るもの。12年度までに国営両総農業水利事業で改修済みの南部幹線第三導水路末端の洪水槽を起点に、幹線用水路3・9qを改修し、農業用水の安定的な確保・供給及び配水の合理化を図る。
事業区間の全体延長は約5・4q。上流4・3q区間を県営事業、下流1・1q区間を団体営事業で改修する。県営事業では、既存の開水路4・3qをパイプライン化する。4・3qのうち0・4qは、国営事業により10年度にFRPM管に改修済み。改修の対象は3・9q。
工事の内容は、堤体工が3・9q、付帯工事が制水弁工、空気弁工、排泥工、分水工が17か所。堤体工の内訳は、隧道区間が3・3q、暗渠区間が67m、サイフォン区間が約939m。サイフォン区間のうち、約172mで内面更生を実施。分水工は大楽寺、宿小山、大登、八田、小林、押日第一、押日第二、押日第三、押日第四、高師、内長谷第一西、内長谷第一東、山崎、内長谷第二東、堰谷第一、堰谷第二、鷲巣の17か所。ほかに既設管の撤去が約383m、基礎撤去が約383m。
昨年度は上流側の大楽寺分水工〜宿小山分水工の幹線上約280mと工事用進入路約530mで路線測量を実施。測量は伸一測量設計が担当。
一方、団体営事業は、両総土地改良区が事業主体となり、事業費3億円を投入し1・1qの用水管の布設替えを実施する。地区は昨年度で農業基盤整備促進事業の茂原西部地区として採択を受けた。本年度は事業費720万円で、調査・測量、実施設計などを予定している。管はFRPM管でφ600oを予定。受益面積は約87ha。