建通新聞社(神奈川)
2017/07/19
【神奈川】 県 災害対応4件 ロボット実証実験支援
神奈川県は、2017年度の「公募型『ロボット実証実験支援事業』」の採択案件を決定した。災害対応分野では、「磁力等により吸着する橋梁調査ロボット」など4件を対象としている。
「さがみロボット産業特区」での取り組みの一環で、生活支援ロボットなどの実用化・普及を通じた地域の安全・安心の実現を目指すもの。採択された事業者には、1件当たり最大50万円を支援。PR活動や安全対策などの面でもサポートする。
今回は応募23件のうち11件(災害対応4件、高齢者などへの生活支援3件、介護・医療4件)を採択した。
災害対応の支援事業は次の通り。
■海中ステーションにドッキング可能な自立型海中ロボットシステム=東京大学生産技術研究所(東京都目黒区)
港湾設備の海中部分などをカメラなどでモニタリングする自律型海中ロボットと、その充電などを行う海中ステーションから構成。海中ロボットの電池残量が減少すると、自動的に海中ステーションにドッキングし充電するため、無人で長期の運用が可能。
■ダム調査用ロボットシステム=キュー・アイ(横浜市)
水中撮影を行う自航可能な水中ロボットと、それを水面からつり下げ支援する水上ロボットから構成。ダム施設の堤体の水中部をカメラで撮影し、その劣化状態の点検に活用。16年度に有効性を確認した壁面吸着機能を強化。
■ワイヤ吊り下げ型橋梁点検ロボットシステム=ハイボット(東京都品川区)
橋の上から設置回収可能な4本のワイヤで点検センサー搭載のロボットをつるし、交通規制せずに橋全域を点検可能。16年度に課題が見つかった耐久性を改良。
■磁力等により吸着する橋梁調査ロボット=移動ロボット研究所(鎌倉市)
底面に搭載した磁石で鋼橋桁部に吸着させクローラーにより移動するロボット。カメラにより床版のひび割れなどを調査可能。磁力の弱まる段差移動時には、搭載したプロペラの揚力で補助し、落下を防止する。
提供:建通新聞社