トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建通新聞社
2017/07/19

【大阪】3大水門の新設案を採用 大阪府津波対策

南海トラフ巨大地震に備えた西大阪地区の津波対策について、安治川水門など3大水門を新設する案で進めることが決まった。常時、水門の機能を維持するため、現水門の近隣にそれぞれ新水門を整備。完成後に旧水門を撤去するかどうかは今後検討する。整備時期は未定だが、更新時期が迫る水門については、遅くとも2031年までに整備を完了させる必要があるとしている。
 新設の対象となるのは、安治川水門、尻無川水門、木津川水門の3大水門。整備は大阪府が担当する。シミュレーション段階での工法案によると、現位置でレベル(L)1津波に対応するローラゲート式水門を新設する。費用対効果が高く、動力停止時でも自重降下による閉鎖が可能としている。幅は各82bを想定。概算工事費は約320億円。
 各水門が設計耐力の超過を迎える時期は、メーカーによる精密点検の結果から推測。これによると、木津川水門が最も早く31年、安治川水門が34年、尻無川水門が41年までに順次整備を完了させる必要があるとしている。
 西大阪地区の津波対策については、昨年8月に開かれた大阪府河川構造物等審議会で、3大水門を新設する案と、現水門下流に減勢施設を設置する案の2案を中心に検討することを示し合わせていた。
 審議会ではこのうち、減勢施設を設置する案を検証するため、防波堤の起立性能や減勢効果、浮遊物が与える影響などについて模型実験を実施。その結果、既存水門との併用を前提とした場合は、機能性やコスト面から見て、現時点での採用は難しいと結論付け、新設案で進めることにした。