建通新聞社(神奈川)
2017/07/18
【神奈川】川崎市 南武支線沿線でまちづくり方針
川崎市は、南武支線沿線まちづくり方針に関する検討業務を都市環境研究所(東京都文京区)に240万円で委託した。履行期限は2018年3月15日まで。防災面を含めた住環境の改善などによる沿線都市の魅力向上策と、各駅へのアクセスや各駅の交通結節機能の改善などによる鉄道軸強化策を「方針」としてまとめる。
南武支線は、臨海部アクセスの一端を担う既存鉄道路線であり、沿線の夜間人口は比較的多いものの、輸送力が小さく、利便性が低いことから、沿線の居住者や臨海部に勤務する人の利用割合が低い。その結果、鉄道事業者による利便性向上も図られない負のスパイラルとなっている。
沿線地域の持続的な発展に向けては、まちの発展と鉄道軸強化を連携させた戦略的なスパイラルアップの取り組みが不可欠だ。
そこで今回は、前年度に取りまとめたまちづくり方針の素案を基に、住民説明会などにより聴取した地域住民の意見を取り入れながら「南武支線沿線まちづくり方針」を策定する。
まず、各駅ゾーンにおける施設の実施方針、実施スケジュールの素案に基づいて段階的な整備の考え方を検討、整理する。小田栄駅周辺については、南部防災センター敷地など市有地を活用したにぎわい創出策について、事業の実現性を検討。また、同周辺既存ストックを活用したにぎわい創出策への動線も想定した小田栄駅周辺地域からの駅アクセス路の位置、規模、概算事業費などを検討する。
さらに未整備都市計画道路をはじめとする地域連携軸の強化に向け、前年度調査した低未利用地などの現況や、すでに検討が進んでいる密集市街地整備促進事業の動向、ゾーン別まちづくり方針などを踏まえつつ、計画幅員や事業手法などの概略的な検討を行う。
一方で地域の意向を把握し、まちづくり方針への反映を検討するため、地域住民にアンケート調査も実施する。
提供:建通新聞社