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北陸工業新聞社
2017/07/11

【富山】建設功労大臣表彰/安全安心な遊具の提供を/公園施設業協会理事石永裕明氏/「SPマーク認定、厳格に審査」

 17年度の建設事業関係功労国土交通大臣表彰に、岡部専務取締役で日本公園施設業協会理事の石永裕明氏が選ばれた。
 多年公園施設業に精励し、関係団体の役員として業界の発展に寄与したことが認められたもので、「私で良いのかなというのが率直な感想。これまでの活動が認められたのかも知れないが、恐縮している」と話し、「東京の協会本部では毎月の会議があり、会社の仕事とは別の時間が取られる。協会活動に対する社長以下、会社の皆さんの理解に感謝したい」と述べる。
 協会には、厳しい規準をクリアした安心・安全な遊具のみ表示できる「SPマーク」の認定制度がある。遊具による子供の事故を防ごうと、石永氏はSPマーク制度の立ち上げ当初から携わり、現在は会員の品質・安全管理能力をチェックする企業認定委員会の委員長を務める。「全国140社の会員について、遊具にSPマークが貼れる物をルール通りに造っているか、厳格に審査している」と強調する。
 また、協会では、遊具の安全性確保へ、技術者の資格認定にも力を注ぐ。「設計、製造、施工、点検のすべてを担当する公園施設製品安全管理士などは会員の資格だが、15年度から一般の方も取得できる公園施設点検管理士、公園施設点検技士の認定制度をスタートさせた」と説明し、「業務は定期点検のみだが公的な資格。インフラの老朽化が課題となる中、公園も点検を確実に行い、長寿命化を図ることが重要。公園管理者に資格者を活用してもらい、点検の品質確保が図られるよう期待している」。
 遊具による子供の事故原因では、墜落・落下が3分の2を占める。「最近は発想が変わり、遊具から落ちても怪我をしないよう、子供の目線に立った安全対策を産学共同で研究中。老人、3歳未満の待機児童のための遊具も必要」と指摘。一方、今年4月には改正都市公園法が成立し、公園にコンビニや保育所、レストランなどが設置できるよう法律が緩和された。「公園には防災の役割もあり、今後使われ方が変わってくると思う。とにかく、協会の使命である安全安心な遊具の提供に全力を傾注したい」と力を込める。
 県内唯一の会員である岡部には、専門部署の公園施設部がある。「東日本大震災以降、屋内遊具施設の需要が高まっている。おかげ様で全国から引き合いがあり、中でもネット遊具の施工実績はナンバー1。屋外では複合遊具が主力であり、公園のコンセプトに合わせたオリジナリティーの高い物を製作できる。公園施設はデザインから始まる提案型の事業が多いが、売り上げは順調であり、今後も事業の柱として強化していきたい」との考えを示す。
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 いしなが・ひろあき 54年3月生まれ。63歳。大阪工業大学工学部土木工学科卒業後、岡部組(現岡部)入社。トンネルや河川、公園などの工事に従事した後、82年の茨城営業所開設時に所長として着任。91年から本社勤務。社長室長や技術部長、総務部長、常務取締役などを経て08年から現職。趣味は旅行。大学時代は日本拳法部に所属。現OB副会長。「一昨年の創部50周年を機に、日本拳法を県内に普及すべく動き始めた。小学生から教える仕組みができれば」と夢を描く。

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