渕上隆信敦賀市長にインフラの老朽化対策の重要性に関し、市庁舎で直接聞いた。
■公共施設等総合管理計画のポイントは?
市長 市長に就任し、公共施設等総合管理計画を国の指針に基づき作成した。従来の部や課単位の管理計画ではなく、トータルに現状を明らかにし、そこで大変だと改めて実感している。敦賀市の場合には、過去5年間平均で毎年26億円の建設や改修を行い、今後も40年間現状の規模で施設を保有し続けると、毎年41億円が必要となる。約15億円をきちんとマネジメントしていかなければならない。
■シミュレーションでは相当に予算不足が予想されるのでは?
市長 現状のままの施設維持は規模も数も難しい。民と官の相互の役割分担が必要だ。大都市ならホールの民間運営も可能だが、地方では使用頻度が少なく、ある程度は公共で支えなければならない。官が公共施設を整備し住民サービスを提供するケースが、都会よりも多い。今後、資産活用の観点で民間から専門的な助言をもらう市有財産利活用研究会を立ち上げ、研究を開始する。宅建業者や金融関係者などを招き、民間の知恵をどんどん取り入れたい。市有地には固定資産税がかからないから空き地でもいいではなく、きちんと運用していこうという民間の感覚を打ち出していきたい。
■危機感が強いのでは?
市長 今後は、公共施設を提供していく上で複合化が必要だと考えている。ただ単純に施設を減らして終わりではなく、スクラップ&ビルドの中で、新しい複合的な機能を付加していく。庁舎建設は現在地で決まったが、どういう機能を付加すれば市民のみなさんが来やすいか等々。例えば、土日は休庁で誰も来ないが、子どもが遊べ、珈琲等が飲めるならなど多用性について検討を開始したところである。
予算面や機能性など民間の視点を意欲的に取り入れ様々に検討する構え。