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日本工業経済新聞社(山梨)
2017/07/06

【山梨】6月補正に繰越明11・1億

 県県土整備部は、6月補正予算の内容を県議会土木森林環境委員会(3日)に説明した。内容は2018年度への繰越明許費で、4事業、合計11億1150万円を設定した。緊急道路整備費などが対象で、そのうち国道141号の韮崎市相垈交差点改良工事では、施工に先立ち埋蔵文化財の試掘をした結果、本調査が必要となり、調査を待って工事を発注することになり、工期が年度を跨ぐことになったため設定。
 繰越明許費を設定することで工期が決定し、工事を発注することが可能となり、対象工事の早期発注に努める。同部では、今回の設定費11億1150万円について、全体では約17億円の事業規模になると説明した。
 繰越明許費の設定事業のうち緊急道路整備費は4カ所。相垈交差点改良工事以外の3カ所は、国道300号身延町中之倉地内などの橋梁工事。河川管理者との調整に日数を要し、河川内の工事が渇水期に限定されることなどにより設定した。
 そのほかの設定事業は、通常砂防事業費(10カ所)4億2350万円、火山砂防事業費(1カ所)3500万円、急傾斜地崩壊対策事業(1カ所)3500万円。
 通常砂防事業では、砂防堰堤工を整備する身延町の中村沢で、工事車両の通行に際し沿線住民との調整に不測の日数を要した。そのほか、用地・物件移転補償の遅れによるのが4カ所、関係機関との調整の遅れによるのが5カ所。
 火山砂防事業では、砂防堰堤工を整備する山中湖村の柳原沢で工事用道路の借地交渉に不測の日数を要して設定。
 急傾斜地崩壊対策事業では、崖崩れ防止施設を整備する富士河口湖町大石地区で資材置き場などの施工ヤードの借地交渉に日数を要したため設定した。
 土木森林環境委員会で県土整備部は、6月補正予算で繰越明許費を設定する理由を説明。国から公共事業の執行にあたり施工時期などの平準化へ計画的な執行を求められており、発注環境が整った工事のうち適正工期を設定した場合、年度内の完成が困難なことが判明している工事が対象と説明した。
 委員からは「繰越明許費の設定と施工時期の平準化」の関係性について質問が出た。
 それに対しては、年度当初は通常、発注量が少なくなるが、繰越明許費を6月や9月などで設定して発注量を平準化することで翌年4月でも継続して施工できるようになり、年間を通じて工事の平準化が図られると答弁した。