愛知県西三河建設事務所は、西尾市の奥田海岸で高潮対策を計画しており、2017年度事業で地質調査とともに詳細設計を進める。海岸堤防などに対する耐震対策を進めるもので、平坂入り江西側の海岸としては初めてとなる。
詳細設計を基礎地盤コンサルタンツ中部支社(名古屋市西区)、地質調査を明治コンサルタント中部支店(名古屋市名東区)に委託、現況を考慮しながら工法検討などとともに詳細をまとめる。これらを踏まえ、2018年度以降の工事に向け予算要望などの準備を進める方針だ。
同計画は、平坂入り江西側で西尾市平坂町から小栗町や西小梛町などを経由、奥田町までの全長約3・3`を対象に、既設の堤防に対する高潮対策、耐震対策を進める。このうち、今回の業務では各調査を反映しながら、小栗町地内の延長400bについて詳細設計をまとめる。
高潮対策としては、既設堤防に対する沈下状況を確認、堤防の必要高について比較検証する。耐震対策では小栗町地内や西小梛町地内の4カ所でボーリング調査を実施、現況データを採取する。過年度のボーリング調査データと比較しながら耐震断面について検討を進める予定。耐震断面は現在、5断面を想定しており、液状化などの地質状態を考慮しながら検証、鋼矢板工法などを中心に耐震工法について検討していく考え。
平坂入り江を含む三河湾沿岸地域では、地震による液状化が広範囲に予測されている。このため、同事務所では管内の海岸堤防などを中心に、主に液状化による海岸堤防の沈下抑制とともに、既設堤防の現況に応じた耐震補強を進めている。
平坂入り江では現在、東側の大岡海岸や中根海岸で耐震対策が進んでいる。一方、西側では今回の奥田海岸が初めてとなる。今後は、他の海岸や対策事業などとの優先順などを考慮しながら18年度の予算要望を進める考え。予算配分などにより流動的ながら、早期の工事着手を目指す。
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建通新聞社