船橋市は、「海老川上流地区まちづくり」の概略事業計画案がまとまったとして、今月8日から順次、地権者等に対する説明会を開催する。それによると、事業検討区域約78・5haを、これまで実施した地権者等への意向調査を踏まえて、土地区画整理事業区域とまちづくり手法検討区域に区分。土地区画整理事業区域を約41・9ha、総事業費約148億円とした。また、まちづくり手法検討区域については、地区計画やまちづくり協定等のルールを定め、良好な市街地形成を誘導する。土地区画整理事業については、改めて地権者等の意向を聴くなどして9月ごろに準備委員会で区域を確定する予定。
土地区画整理事業(約41・9ha)の総事業費約148億円の資金計画(案)は、収入が都市計画道路整備補助金(国県市)約33億円、市助成金約30億円、公共施設管理者負担金(県)約9億円、飯山満川移設負担金約3億円、保留地処分金約73億円。支出が工事費約125億円、調査設計費約13億円、その他約10億円。
また、平均減歩率は公共約25%、保留地約16%、公共・保留地合算約41%としているが、資金計画(案)も含めて市の土地利用計画に基づくものであることから、今後、組合が市や業務代行者等と協議して決定することになる。
18年度は、本年度に引き続き市が各種設計・調査や事業計画(素案)を策定。また、組合設立準備委員会とともに地権者仮同意の取得を進める。その後、18年度から20年度にかけて事業計画(案)を策定し、本同意を経て20年度末の組合設立、21年度当初の事業着手を目指す。
土地区画整理事業には、日本都市技術と清水建設が事業協力者として参加。また、昨年度はまちづくり基本調査を日本都市技術へ委託しているほか、本年度はメディカルタウン構想策定支援業務をサンコーコンサルタントへ委託しており、同市と包括連携協定を締結した千葉大学と協力しながらメディカルタウン構想を取りまとめ、まちづくりに反映させる。
また、移転する市立医療センターについては先ごろ、プロポーザルで基本計画をアイテックへ委託することを決めている。新しい医療センターは、敷地約4haに病床数500床程度、延べ5万u〜5万5000uで計画されている。
海老川上流地区まちづくりについては、東葉高速線の新駅設置もにらみながら1996年に土地区画整理組合設立準備委員会が発足したものの、事業化には至っておらず、その間、休耕地・耕作放棄地が目立つようになり、小規模な宅地開発や墓地の造成、資材置場、作業場などが混在した土地利用が進行している。
こうした中で、2015年に松戸市長が、市立医療センターを移転し「メディカルタウン」のようなまちづくりを進めることを表明。これを機に、組合施行による土地区画整理事業を市としても積極的に支援することにした。
海老川上流地区は、市のほぼ中央に位置。東町、米ヶ崎町、夏見にまたがる面積約78・5haを事業検討区域として、昨年度は基本構想案をまとめた。
それによると、まちづくりのコンセプトは、水とみどりに「交わる」「つながる」ふなばしメディカルタウン構想=B「医療センターを中心とした新しいまちづくり」をコンセプトの中心に据え、@医療・福祉関連施設の整備・誘致A賑わいと活力を生み出す新駅の誘致Bウォーキングコースや運動のできる公園等、健康増進施設の整備−を柱として、水と緑のネットワークで連携を図る。
ゾーニングは、新駅周辺の「地区拠点商業ゾーン」では新駅の誘致及び駅前広場の整備に併せて、駅に近接する利便性を生かした商業・業務用地、住宅地(中高層)を形成。また、「医療センターと医療・福祉関連施設ゾーン」では市立医療センターの移設に併せて、医療・福祉関連施設の誘致を検討する。
このほか、地区の東西軸となる都市計画道路3・4・25号線、南北軸となる都市計画道路3・3・8号線の沿道は、「沿道利用ゾーン」として幹線道路の利便性を生かした商業・業務用地、住宅地(戸建て・中高層)を形成。さらに、「住宅ゾーン」では、環境に配慮した安全・安心な住宅地(戸建て・中高層)を形成し、各ゾーンを緑と水のネットワークで結ぶ。