徳島県は、「県営住宅新浜町団地建替事業に係るPFI導入可能性調査業務」の委託先をプロポーザル方式で決めるため、PFI導入可能性調査業務やPFI事業におけるアドバイザー業務などの実績がある県登録の測量・建設コンサルタント単体企業もしくはこれら業務の実績を少なくとも構成員の1者が有するグループ(1者が県内企業の複数企業)に対して公募を開始した。7月18日まで参加表明書を受け付けている。
徳島市新浜町地内にある同団地の老朽化、入居者の高齢化に伴い、集約化による維持管理の効率化を図る。新たに整備するに当たり、県事業としての建て替えは財政的に厳しいことから、PFIによる事業推進を検討し、新住宅団地の基本的な考え方を整理する基本計画を策定することにした。対象は3棟(旧10、11、12号棟)・72戸。これを1棟(新2号棟)・27戸に集約化する他、跡地(余剰地)活用なども図る。契約後、2018年3月15日までの期間で業務を進める。
具体的な業務内容は▽事業計画・前提条件の検討・整理▽基本計画の作成▽PFI事業スキームの検討・整理▽PFI導入可能性の検討▽リスク分担の検討▽事業スケジュールおよび留意点▽建替事業予定地における余剰地及び旧3棟敷地の有効活用▽旧3棟の入居者に対する意向調査の実施−など。
なお、委託先の選定競技では、提出された企画提案書について、事業の独創性や実現性、同種の業務における実績と地域精通度、委託金額の見積もり−などを評価し委託先を特定する。順調なら企画提案書などを8月8日まで受け付け、その後開かれる選定委員会で協議の上、8月下旬には委託先を特定する。遅くても9月には業務契約の運び。
所管は住宅課。具体的な事業内容は、事業方式も含め今後行う導入可能性調査の中で固めることになるが、事業期間20年程度で余剰地活用を含めた事業提案を求めることとし、地域に必要な福祉施設・サービス施設の併設などを検討する見通し。また、事業推進に当たっては、県内企業も広く参入でき、照明は全てLED照明、内装・建具には県産木材、さらには藍の活用といった県内資材優先使用なども求め、地域経済の活性化を図る一歩先を見据えたPFI手法を検討することにしている。
PFI導入可能性調査が順調なら、18年度にアドバイザリー業務の実施、19年度にPFI事業者の決定を経て着工、20年度の新住棟完成を目指す。県の県営住宅集約化PFI事業は今回で2例目。なお今回は、耐震性能を満たしていない団地の建て替え事業として12団地を集約化した前回の事業とは違い、限定的で小規模なものとなる。
県は同事業について、県内市町村が今後公営住宅の建て替えにPFI事業を導入する際のモデル事業として実施する考え。
提供:建通新聞社