千葉市は3日、公募型プロポーザルによる稲毛海浜公園の賑わいと魅力アップに向けた事業者募集の選定結果を公表した。提案があった8者から、事業予定者に選ばれたのは、ワールドパーク連合体。海へ延びるウッドデッキや温浴施設、宿泊施設(既存施設のリノベーション)等の整備を提案した。8月下旬に基本協定を締結し、詳細設計・関係者協議等を経て順次、事業を開始する。
同連合体の構成員は、ワールドパーク(千葉市美浜区中瀬2−6−1)、フォーカス(東京都港区虎ノ門1−2−3)、フロンティアインターナショナル(東京都渋谷区渋谷3−3−5)、一般社団法人日本ランニング協会(東京都港区赤坂3−21−15)、エムズイースト(千葉市中央区中央2−7−1)。
ワールドパークは遊休地の不動産活用や公的資産の活用・リニューアル・運営等、フォーカスはエネルギー事業や再生支援コンサルティング、フロンティアインターナショナルはイベントプロモーションやスペースプロデュース、一般社団法人日本ランニング協会はランニングイベントの企画・運営、エムズイーストは総合建設業、フード事業、スポーツ事業、建機リース等を手がけている。
提案の概要によると、コンセプトは「INAGE SUNSET BEACH PARK」。ホワイトビーチ(白い砂浜)や海へ延びるウッドデッキ、グランピング(豪華なキャンピング)、温浴施設、宿泊施設(既存施設のリノベーション)、大人も楽しめるプール(部分的にリゾート感を感じられるものへ改修)等を提案している。
昨年3月に策定した「海辺のグランドデザイン」をもとに、稲毛海浜公園の持つ都市型ビーチ等のポテンシャルを最大限に活かし、より多くの来園者が訪れ、賑わうような施設とサービスを提供するため、民間事業者の豊富な経験とノウハウを活用し、施設整備と一体的な管理・運営により再整備を図る。
市は海辺のグランドデザインに示す5つのゾーンのうち、「マリンスポーツの海辺ゾーン」の一部、「歴史と自然の海辺ゾーン」、「ファミリーレジャーとスポーツの海辺ゾーン」で、可能な限り広い区域を対象として提案を募集した。
事業提案者施設は、事業者自らが整備し維持管理・運営を行う施設。整備後に施設を市に寄付して事業者の財産管理等による負担を軽減するなどの提案も可能。また、事業者改修・活用施設は、事業者が既存の公園施設の改修等を行い、新たな活用を図る施設。改修を行わず、既存のまま活用する提案も可能だとした。
提案募集に際して市は、建物だけでなく、園路や植栽等に関する改修、いなげの浜(砂浜)などの活用や、一般園地のように、一般利用に供する部分の改修費用の一部を市が負担するといった提案も可能としたが、盛土・切土など土地の造成を行う場合には、場外搬出がないようにするよう求めている。