富山村田製作所の新生産棟(D棟)竣工式が6月30日、富山市上野地内の本社敷地内で執り行われ、機能性基板を製造する最新鋭工場の完成を祝った。
神事に続き、記者会見で井上亨代表取締役社長は「圧電セラミックスを中心に展開してきたが、電機製品の業界に新しい旋風を巻き起こせるよう、新機能材料のメトロサークを製造する。一大拠点として今後も拡大していき、富山村田として2年以内に2倍の売上高を目指したい」との方針を示した。石井隆一知事は「富山県の産業の背骨は、ものづくり。新しいプロジェクトを進められ、大いにサポートしたい」と述べた。
建設規模はS造6階建て延べ2万9299平方メートル、建築面積5906平方メートル。設計・施工は戸田建設が担当。10月末に全体完成し、総投資額は約300億円。樹脂多層基板のメトロサークは、優れた高周波特性を持ち、薄型で自由な形状での回路設計が可能で、モバイル端末やIot機器などに使用される。ムラタグループ全体で3年後に1000億円の市場規模を目指す。