日本工業経済新聞社(群馬)
2017/06/30
【群馬】高崎河川国道事務所など・17年度高崎河川国道事務所工事等安全対策協議会(第1回)
2017年度高崎河川国道事務所工事等安全対策協議会第1回(会長=堤啓高崎河川国道事務所長)が6月27日、前橋市の群馬県市町村会館で開かれた。当日は、国土交通省関東地方整備局や高崎河川国道事務所の所管する工事などに関係する発注者や受注者など総勢約170人が参加。発注者と受注者の相互協力により、工事現場などにおける公衆災害や事故の防止に努め、安全で円滑な工事などの実施を図る。
群馬労働局労働基準部健康安全課の塩野泉産業安全専門官は「災害の現場と労働災害防止」と題した講演、高崎河川国道事務所の永江浩一郎副所長(道路)は17年度工事事故防止の「重点的安全対策」と題して説明した。
冒頭、堤会長は「皆さまにはいろいろと対策を講じていただいておりますが、事故は発生している状況です。事故を減らしていくために協議会を通じて、取り組みの周知徹底をしていくことが大事だと考えております。講演の中で語っていただくことについても参考にしていただきながら、しっかりと取り組んでいただいて、事故ゼロを目指していければと思っております」と述べた。
塩野産業安全専門官は「1〜5月末までの統計では、群馬県内の全業種で昨年同期と比較して減っている。このまま減り続けてくれればいいなと期待してる。労働局としては安全衛生ということで、災害防止が安全の柱、衛生はストレスチェックということで仕事と治療の両立を支援していく。いろんな業種で働いている方が治療を受けながら仕事ができるように力を入れて取り組んでいく」と協力を呼び掛けた。
講演では17年労働者死傷病報告受理件数は5月末の時点で、全業種で16年の同期比でマイナス180件。建設業はマイナス11件となっており、全業種で減少傾向にある。減少した大きな要因は16年に雪が多く降ったことによる影響と考えられ、災害の種類別にみると転倒災害がマイナス150件と大幅に減少している。このうち130件は前橋や高崎などの災害が多く、雪に慣れている中之条や沼田では雪の影響による災害はあまりなかったと説明。
また、建設業における年齢や経験年数別に労働災害の発生状況をみると、経験3年以内の若い人が怪我をするのが多い傾向にある。さらに、事故の発生状況をみると一人での作業中に発生、どういう状況でなぜ起こったのが分からないケースが多いという。人手不足などの状況の中、注意をし合い、災害防止への教育の徹底の必要性を訴えた。このほかフルハーネスの正しい使い方や外国人労働者や技能実習生の労働災害の現状、熱中症への注意などを講話。
重点的安全対策の講演では、工事事故の労働災害発生件数は減少傾向にあるものの、16年には作業員が死亡する重大事故も発生したと説明。17年度は労働災害で建設機械の稼働に関連した人身事故や資機材などの下敷きで負傷、公衆損害では架空線・標識等損害や地下埋設物件損傷を重点的安全対策の項目と位置付け。新規対策として地下埋設物の損傷事故防止に◇事前調査、試掘の実施◇目印表示、作業員への周知◇監視員の配置。事故防止に◇基本的な手順の遵守および動作の確実な実施◇安全施工が確保される施工計画書等の作成・検討◇作業員に対する安全教育◇適正な工程管理◇交通安全管理の項目を追加した。
また、工事事故の発生事例をもとに事故の発生状況や原因、事故防止のポイントを説明したほか、地下埋設物の損傷事故防止策やチェックリストの活用などを紹介、事故防止に対する指導の徹底と工事着手前に事故防止のポイントを改めて確認、事故防止へ情報と意識を共有した。