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建通新聞社(東京)
2017/06/30

【東京】都 16年度の工事契約状況まとまる

 東京都が2016年度に発注した予定価格250万円超の工事5037件(競争入札案件)の契約状況がまとまった。平均落札率は前年度に比べ0・5ポイント増の91・6%、低入札価格調査制度の適用案件数は136・3%増の26件、不調発生率は0・4ポイント増の10・2%となった。平均落札率は過去4年間、ほぼ横ばいで推移しているが、低入札価格調査の対象となった工事は土木を中心に急増した。不調発生率は建築と土木で減少したものの、設備の一部工事で増加したことで全体では増加に転じた。
 16年度の契約状況のうち平均落札率は、建築工事が前年度比0・7ポイント減の91・8%、土木工事が0・2ポイント増の92・2%、設備が1・5ポイント減の90・8%で、建築が低下したものの土木と設備の落札率が上昇した。
 低入札価格調査制度の適用案件数は、建築工事が3件、土木工事が19件、設備工事が4件の計26件。臨時措置として「WTO政府調達協定対象工事」を除く全工事に最低制限価格制度の適用を始めた15年度は全体で11件にとどまっていたが、土木を中心に大幅に増えた。
 不調発生率については、建築工事が1・6ポイント減の13・8%、土木工事が1・0ポイント減の9・7%となった一方、設備工事は3・0ポイント増の9・6%だった。設備工事のうち特定の業種で不調が増加したことが要因と見られ、これが全体の不調発生率を引き上げた。
 予定価格の事後公表や1者入札の中止、低入札価格調査制度の適用拡大を柱とした入札契約制度改革が試行される中で、今後、これらの数値がどのように推移していくのか注目されている。

提供:建通新聞社