船橋市は28日、市立医療センター建替基本計画策定支援等業務委託の公募型プロポーザル選定結果を公表した。提案があった2者から、アイテック(東京都中央区日本橋本町1−6−5)を受託候補者に選定した。市が本年度と来年度の2か年で基本計画を策定するにあたり、専門的な技術・豊富な経験を生かした提案・助言や、必要な調査・分析等の支援業務を行う。
医療センターは、海老川上流地区のまちづくり(土地区画整理事業)に合わせて病床数500床程度、延べ5万u〜5万5000uで同地区への移転が計画されている。基本計画策定後、2019年度に発注準備等を進め、20〜21年度での基本・実施設計を経て、23年度末の開院を目指して建設工事を進める予定。
土地区画整理事業(組合設立準備委員会段階)には、日本都市技術(旧社名・福岡都市技術)と清水建設が事業協力者として参加している。当初、施行区域面積は78・5haを想定していたが、現在は縮小する方向で検討が進められており、市は来月にも地権者に概略事業計画案を示し、この中で改めて施行区域を示す定。区画整理事業は21年度の着手を目標としている。
医療センター建替基本計画策定支援等業務の履行期間は、契約締結日から19年3月31日まで。市は提案限度額(消費税を含む)を2242万3000円(17年度946万3000円、18年度1296万円)としてプロポーザルを実施した。
業務内容は、@基本計画の策定支援(全体計画、部門別計画、施設整備計画、事業収支計画他)A基本計画策定に必要な調査・分析等B設計与条件の整理及び基本設計に向けた検討支援C移転候補地及び周辺地域における医療センターの果たすべき役割に関する検討支援D在り方検討委員会の支援E在り方検討委員会委員長、病院、庁内等打ち合わせ会の資料・議事録作成及び出席・説明等F病院職員意向調査、市民及び患者等へのアンケート調査G県等への申請及び必要な協議Hその他。
昨年度の基本構想策定についても、アイテックがコンサルタント業務を担当。基本構想では新病院の目指す姿を、@地域医療をリードする病院A救急医療の充実B高度な医療サービスの提供C患者中心の医療の確立D災害に対応できる病院E教育・研修機能の充実F安定的な経営の確保G働くことに喜びと誇りを持てる病院とした。
また、診療機能として想定しているのは、地域医療支援病院、災害拠点病院、救命救急センター(三次救急医療機関)、臨床研修・研究病院、高度医療を担う総合診療施設、新専門医制度の基幹病院、地域がん診療連携拠点病院、地域包括ケアシステムへの対応、地域小児科医療センター。
こうした新病院の目指す姿、診療機能を実現するために、高度医療の提供を支える施設・設備、患者中心の施設、感染症に対応できる施設・設備、災害に強い病院、将来を見据えた施設計画、教育・研修機能の充実、機能的な施設配置、経済性を考慮した施設・設備を整備する。
現在の医療センターの病床数449床(一般病床435床、集中強化治療室14床)に対して、 新病院の病床数は一般病床(449床)や集中強化治療室(25〜32床)、その他(精神病床等)で500床程度とし、延べ床面積を5万u〜5万5000uと想定。このほか、900台程度の駐車施設(平面及び立体)、将来建て替えスペース、ロータリー等など必要敷地面積を約4haとしている。
また、整備事業費(消費税10%で試算、用地費は非課税)は、整備手法や工法等により大きく変わるとしながらも、基本構想策定時点で工事費(駐車場及び定員70人を想定した院内保育所含む)255億円、設計・工事監理料等11億円、医療機器等整備費71億円、移転費用等1億円、用地費80億円の総額418億円を見込んでいる。
海老川上流地区のまちづくりでは、東葉高速線の新駅誘致を想定して、新駅周辺に地区拠点商業ゾーンを形成。その北側に医療センターと医療・福祉関連施設ゾーンを配置し、市立医療センターを移設。併せて医療・福祉関連施設の誘致を検討する。昨年度は、まちづくり基本調査を日本都市技術(旧社名・福岡都市技術)へ委託している。
また、本年度は同まちづくりに関連して、メディカルタウン構想策定支援業務をサンコーコンサルタントへ委託しており、同市と包括連携協定を締結した千葉大学と協力しながらメディカルタウン構想を取りまとめ、海老川上流地区のまちづくりに反映させる考え。