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北海道建設新聞社
2017/06/28

【北海道】JR札幌駅周辺で大型ビル解体相次ぐ−今秋には順次着工へ 

 2017年度に入り、JR札幌駅周辺で延べ1万m²を超える大型物件の建設に向けた解体が相次いでいる。大同生命保険(本社・大阪)が計画する札幌駅前通の札幌大同生命ビル建て替えや北海道ガス(同・札幌)の新本社ビルなど、判明しているものだけでも3件。いずれの施設も秋ごろから順次着工する見通しにあり、今後は大型クレーンがそびえ立つ現場を目にする機会が増えそうだ。
 中央区北3条西3丁目にある札幌大同生命ビル(SRC造、地下2地上15階、延べ約1万3300m²)の施設全体が白い仮囲いで覆われた。ことし4月から大林組が、ビルの解体作業を進めている。
 建築家の故・黒川紀章氏がデザインしたこのビルは、完成から40年以上が経過し傷みが激しいことから建て替えを計画。16年9月にビル入居者の移転を終え、休館した。
 日建設計・北海道日建設計共同体が実施設計を担当した新ビルの概要は公表していないが、北側に隣接するコンタクトオフビルと一体開発になることから「既存ビルよりは大きくなる」(大同生命保険担当者)もよう。札幌駅前通地下歩行空間とつながったオフィスや、商業施設が入る複合ビルとなる見通しだ。12月末にも解体作業が終わり次第、大林組で本体に着工し、19年秋ごろの完成を予定している。
 JR札幌駅から徒歩圏にある東区北7条東2丁目の中央エネルギーセンター敷地内では、北ガスが新社屋を建設する。中央区のエムズ大通ビルに入居する本社や、東区の北ガス保安センターなど市内5カ所に分散した各部門の機能を集約。現在は施工を担う鹿島が、敷地西側で事務所や倉庫の解体を進めている。
 グループ会社を含め約1000人程度を収容する新社屋は、8階、延べ約2万4000m²を想定。一般のイベント使用も検討する小ホールや防災センターなどを併設するほか、地下には大型の天然ガスコージェネレーションを設けることにしている。既存施設の解体作業は8月末までの予定で、引き続き19年3月の完成を目指して本体工事に入る。
 このほか、JR札幌駅北口では京王電鉄(本社・東京)が新ブランドの「京王プレリアホテル札幌(仮称)」新築を計画。取得した北区北8条西4丁目11にある既存建物に仮囲いをするなど、解体準備が進む。
 道内で増加する訪日外国人や多様化する観光客に対応すべく、アッパーミドル層(準高級層)向けとなる新ホテルは、S一部RC造、地下1地上17階、延べ1万5300m²の規模で計画。ツインルームを主体に客室359室を備えるほか、レストランや大浴場、駐車場も設ける予定だ。実施設計は大林組が担当。本体着工は9月ごろを予定し、大林組・京王建設・岩田地崎建設共同体が施工に当たる。新ホテルは19年夏のオープンを予定している。
 札幌駅周辺では18年度も、大型物件の着工が相次ぐことが予想されている。タワー型マンションや商業施設、ホテル、オフィスなど4棟で構成する北8西1地区の再開発ビルや、北1条西5丁目の北海道放送本社ビル建て替えといった計画が明らかになっており、今後も建設ラッシュが続きそうだ。