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西日本建設新聞社
2017/06/28

【熊本】創造的復興で大区画化 県、10億投じ阿蘇谷農地復旧

 阿蘇地域振興局は26日、熊本地震に伴い復旧工事を進めている阿蘇谷農地の現場を報道陣に公開した。創造的復興により整備を進めており、復旧と併せて農地の大区画化と集積化を実施。同局は事業費が約10億円、完成予定が平成30年4月となることを明らかにした。
 復旧を行うのは、阿蘇市狩尾のカントリーエレベーター付近(14工区)と同市的石の阿蘇西小北側(17工区)の農地。ともに大規模な亀裂や隆起、陥没などが発生している。県は単なる原形復旧ではなく、大区画化や農地集積化を実施し、未来に繋がる基盤整備を促進する。
 計画によると、14工区は、農地を28fに拡大し、農道438b、用水路1129b、排水路630bを整備。事業費は約5億6000万円としている。一方、17工区は農地を40・2fに拡大。用水路2555b、排水路160bを施し、事業費は約4億5000万円。
 農地の復旧作業は、表土剥ぎ(29年3〜5月)、亀裂復旧(同6〜7月)、基盤整地(同8月〜未定)、表土戻し・均平・畦畔築立―の工程で行っていく。
 公開した14工区の現場では、亀裂復旧作業を実施中。最大2bに及ぶ亀裂個所に次々と石や土砂を搬入していた。阿蘇谷では約10万立方bの土が必要で、現在までに約2万4000立方bを確保。同局土木部が整備する遊水地(黒川激特)や、国交省が進めている新阿蘇大橋ルートと国道57号北側復旧ルート(阿蘇市赤水)の現場で発生する石や土砂を活用してコストを抑制している。
 大区画化や農地集積化の取り組みは、阿蘇谷のほかに南阿蘇村の乙ヶ瀬地区と熊本市の秋津地区でも計画されている。

提供:西日本建設新聞社
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