高知県林業振興・環境部は、牧野植物園(高知市五台山)に新たに整備する「ファミリー園」と「スタディ園」(いずれも仮称)の造成に向けた設計を公募型プロポーザルで23日に募集開始した。7月10日までに参加申し込みと資格確認書類の提出を求める。7月下旬にプレゼンテーションによる審査委員会を開き、8月上旬に審査結果を通知する。工事費は12月補正予算で計上し、年明けに発注、2018年秋の供用開始を目指す。また造成のためのアクセス道路工事を8月ごろ発注する他、夜間照明設置に向けた設計も7月に外注し、9月補正予算で工事費を計上するなど、磨き上げ整備に向けた入札が本格化する。
ファミリー園は、牧野植物園本館と南園の間の約1万7000平方bに、家族連れや観光客、子どもたちが植物に囲まれて過ごすことができる芝生広場を整備する。
スタディ園は、本館と展示館の間の約9000平方bに、子どもたちが植物と触れ合いながら学んで遊べる広場や、植物を自由に触れる体験ゾーン、植物の有用性を学ぶゾーンを整備する。また、園内に子どもたちが学習できる「学び舎(や)」を建設、11〜12月に設計を外注し、18年度に工事発注する予定。
これらの造成工事に活用し、歩道としても活用可能なアクセス道路の工事費2833万円を6月補正予算案で計上している。県道五台山公園線から駐車場までショートカットしてつなぐ道路で、延長150b、幅員4b。測量設計は工栄(高知市)が担当。
夜間照明設備は、既存の南園と温室に設置。常設化することで、お盆前後の「夜の植物園」や秋の「観月会」など、年間数日に限定している夜間開園の期間を増やす。18年度には、ファミリー園とスタディ園への照明も設置する。
牧野植物園では、入園者数が減少傾向であることから、園の持つ貴重なコレクションや立体的な地形などの魅力を最大限に引き出すための「磨き上げ整備」を進めるため、検討委員会により、第1期と第2期に分けた基本構想を策定中。第1期構想では、これらの整備の他、「お宝展示館・研究棟(仮称)」の建設も示されているが、設計や工事は18年度以降となる見込み。第2期構想では、長江圃場の高台移転や駐車場対策などの取り組みが検討されている。
提供:建通新聞社