浜松市は、老朽化などを理由に休館した教育文化会館(はまホール、中区)の後継施設として新設する「市民文化創造拠点施設」について、市役所本庁舎に隣接する浜松城公園東側エリアを建設候補地とする基本構想案を公表した。具現化するまでに、北区新都田の市有地を候補に暫定ホールを建設し、2019年度中の完成を目指す考えも示した。
市民文化創造拠点施設は、有識者の提言を踏まえ教育文化会館の後継施設にとどまらず、観光案内や創作活動空間、スタジオ、カフェなどの複合施設としての機能を持たせる。具体的な検討過程では市民参加の仕組みを取り入れる方針。ホールは1000〜1500席程度を想定している。
建設候補地は、14年度に策定した浜松城公園長期整備構想で「にぎわいと交流ゾーン」に定めたエリア。同公園には浜松城や市美術館など文化施設と歴史的観光資源があるため、「互いの魅力を高める相乗効果と都心部への波及効果が期待できる」と判断し選定した。エリアは、旧元城小学校や市役所、旧市体育館跡地を含む面積約5万平方b。エリア内に市役所本庁舎の敷地を含むことで、将来的な本庁舎移転も視野に、都心部の再生につなげる考えもあるという。
建設に向け、旧元城小校舎の解体や文化財などの発掘調査実施後、具体的な設計に着手する意向でいる。発掘調査には慎重な対応が必要となるため、施設の完成まで10年以上の長期計画を見込んでいる。
市民文化創造拠点施設の新設が長期計画になることを踏まえ、暫定ホールは、北区新都田のカインズホーム浜松都田テクノ店東側に位置する市有地「都田センター用地」に建設を見込む。敷地面積は約3万平方b。約1500席のホールとリハーサル室を備えた施設とし、駐車場や大型バスの停車スペースも確保する。17年度中に地質調査などの補正予算案を編成する方針。整備手法はリース方式など民間活力の導入を検討する。
提供:建通新聞社
(2017/6/23)
建通新聞社 静岡支社