日本工業経済新聞社(山梨)
2017/06/21
【山梨】山梨県建設業協会が大型補正要望
県建設業協会(浅野正一会長)は、2017年度大型補正予算の編成、県単独予算の確保による維持修繕・保全事業の拡充などを訴える要望活動を20日、県や自由民主党県支部連合会、公明党県本部に対して行った。浅野会長は、県内建設業の厳しい経営状況、公共土木施設の維持管理の重要性を訴え、「ゆるぎない公共事業の推進へ公共事業予算の総額確保に特段のご配慮を」と要望した。
後藤斎知事への要望活動で浅野会長は、本県においても防災・減災対策、老朽化対策が重要であり、さらに県内の道路舗装や側溝の現状、河川内の支障木の繁茂状況などに触れ、公共土木施設の維持管理が手薄になっていることに「インフラ整備に係わる者として不安を感じている」と強調。
これらの課題を解決し、県民生活の向上や地域経済の発展を支える社会資本整備を計画的に進めるためには「公共事業の推進を継続的に図ることが不可欠」と指摘した。
一方で、2017年度(平成29年度)の公共事業予算はピーク時の1999年度(平成11年度)の4割程度で、多くの会員企業が深刻な経営状況にあることを力説。こうした状況が続けば、倒産などが避けられず、若い人材の雇用もままならず、災害対応や公共施設の維持補修にも支障を及ぼすことも懸念されると指摘した。
そこで「ゆるぎない公共事業の推進を図るためには、公共事業予算の総額確保にご理解をいただき、今後特段のご配慮を」と要望した。
後藤知事は、公共事業を通じた地域防災力の強化、災害時の迅速な対応を行っている建設業協会にあらためて感謝の意を表した。
県の公共事業については、東京五輪やリニア関連に重点的に予算を執行していることを紹介。公共土木施設の維持修繕、防災・減災対策については、これからも継続的な予算確保に努力していくと述べた。大型補正予算の編成についても「公共事業予算の総額確保を、できるだけ早い時期に国に要望してまいりたい」と応じた。
さらに、建設業協会に対して「各地域での防災・災害対応にお力添えを」とあらためて要請した。
同様の要望活動は、自由民主党県支部連合会、公明党県本部に対しても実施。県内建設業の厳しい現状に理解を求め、公共事業予算確保の重要性を訴えた。