秋田港湾事務所(所管:県港湾空港課)は、大型クルーズ船が寄港する際の受け入れ環境整備に関し、現在クルーズ船が寄港している中島埠頭2・3号岸壁で22万tの大型船を受け入れることができるか、可能性を検証する。検証業務はアスコ大東に委託している。
現在、本県に寄港している船ではダイヤモンド・プリンセス(11万5,875t)が最大で、今回見据えているのは22万tの「オアシス・オブ・ザ・シーズ」の係留。業務では係船柱補強策の検討や、既設防舷材の配置・性能を踏まえた接岸速度の算出、岸壁本体の安定性照査などを行う。
クルーズ船の受け入れでは、同港本港地区でもターミナルの整備を見据えており、日本港湾コンサルタントに基礎調査業務を委託。ポートタワー・セリオン前などで大型クルーズ船などが係留できるターミナルを検討する。
基礎調査では岸壁や物揚場を増深する岸壁改良や臨港道路の移設、緑地化(駐車場・植栽)などを検討。このうち岸壁改良では、セリオン前にある下浜−4m物揚場や南埠頭D岸壁(−5.5m)を対象に調査し、−9m岸壁に改良する方法を検討する。
また、今年度は中島埠頭の6,765uにおいて、ターミナル施設(S造屋根膜構造660u)や屋根付き歩行者用通路(同990u)、トイレ(RC造50u)を新設するほか、倉庫(S造998u)の外壁改修や照明施設(デザイン照明10基程度)の整備、建物周辺の外構整備を予定している。
現在は三井共同建設コンサルタントで計画策定業務を進めており、9月には工事を公告したい考え。概算工事費は4億4,629万6,000円で、10月から30年3月の予定工期で整備する。発注件数などは今後検討する。
提供:秋田建設工業新聞社