国道57号の北側復旧ルート(阿蘇市赤水〜大津町引水)で、外輪山を貫く二重峠トンネルが17日、着工した。同市車帰の坑口であった式典で、九州地方整備局の小平田浩司局長は「一日も早く完成するよう国交省の総力をあげて工事を推進する」と力を込めた。
着工式には、地元国会議員、県知事、沿線首長、地権者、施工者ら約150人が出席。掘削作業の開始を示す模擬発破などを行い、工事の安全と早期貫通を祈願した。
蒲島郁夫知事は「現国道の被災により、未だ多くの県民が通勤や通学に支障を来たし、九州全体の物流や観光など経済活動にも深刻な影響を及ぼしている。阿蘇と熊本都市圏を結ぶアクセス回復は最優先課題だ」と強調。佐藤義興阿蘇市長、家入勲大津町長も早期完成を期待した。
来賓からは衆議院の坂本哲志議員や江田康幸議員らが「活力ある阿蘇が取り戻せるよう全力で取り組んでほしい」などと挨拶した。
二重峠トンネルは延長3659b。車道となる本坑(幅14b)と緊急時の避難路となる避難坑(同7・8b)を、阿蘇、大津の両側から同時に掘り進める。総工費は約231億円。阿蘇工区を安藤ハザマ・丸昭地域JV(工期平成32年7月31日)、大津工区を清水・福田・松下地域JV(工期平成32年5月31日)が施工する。
安藤ハザマJVの大俣敏文現場所長は「式典に際し工事の重要性を再認識した。無事故で早期に完成させることを誓う」。清水JVの金岡幹所長は「地域の期待を感じ、身の引き締まる思い。熊本の未来に誇れるトンネルをつくる」と話した。
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