千葉県建設産業団体連合会(畔蒜毅会長、正会員11団体)の2017年度通常総会が16日、千葉市内のホテルポートプラザちばで開かれた。総会の冒頭で畔蒜会長は、県県土整備部の吉田行伸・災害・建設業担当部長らの来賓を前に、建産連が「県内建設業界を横断する唯一の組織」として、引き続き「中小建設産業に対する受注機会の確保・拡大をはじめ、入札・契約制度や業行政施策の改善、地産地消の推進、建設産業の社会的役割に対する正当な評価の獲得に向けて、結束して取り組んでいかねばならない」との決意を示した。
◆発注者の対応改善も
知事選により、骨格予算としてスタートした本年度の県予算について畔蒜会長は「今月1日に、公共工事を含む政策的な事業費を盛り込んだ6月補正予算案が発表され、投資的経費として379億円を計上、当初予算と合わせると、前年度から4・3%増の1563億余円となった」と説明。一方、県幹部らに向けて「議会終了後の早期発注」を強く要望するとともに、建産連については「総合建設業、専門工事業、測量等の建設業務団体で構成され、『公共事業予算の確保』が共通する最重要課題である」と強調した。
また、建設産業界を取り巻くここ数年の状況については「国の公共事業予算が毎年、前年度並みの事業費を確保するだけに留まり、特段の景気対策が講じられなかった」とし、そのことから「依然として地方経済は低迷し、建設関連企業の活性化も進んでいない状況にある」と厳しく指摘。これらに対して「政府による新たな景気対策が不可欠である」との考えを示した。
さらに「いわゆる担い手三法により『工事ごとに利益が確保できる仕組みづくり』に向けた国、県等の取り組みが進められている」と説明した畔蒜会長は、「県内には依然として『予定価格の適正な設定』や『スムースな設計変更』といった、発注者としての対応が進んでいない自治体も多い」と指摘。「この改善こそが急務ではないか」と訴え、あいさつを結んだ。
◆上半期で暫定8割/補正後に再検討へ
引き続き、来賓を代表してあいさつした県県土整備部の吉田災害・建設業担当部長は、まず、今年3月に発生した鳥インフルエンザへの対応について「連合会の会員のみなさんから多大な協力を頂き、72時間の中で無事におさめることが出来た」と述べ、感謝の意を表した。
また「千葉県が持続的に経済発展していくためには」として吉田担当部長は「老朽化が進む施設の長寿命化や東京オリンピック・パラリンピックに向けた道路ネットワークの充実など、中長期的視野に立ったインフラ整備等の維持管理が必要不可欠」とし、「本県の建設産業を担われるみなさんの役割は、ますます重要になってきていると再認識した」と強調。
一方、本年度骨格予算での県土整備部一般会計当初予算が822億円余で、前年度当初予算の71%に留まることについても「県内経済の好循環に向け、引き続き公共事業の早期執行に努めることが必要だ」との考えを示し、県土整備部においては「当面の間となるが、当初予算の目標契約率として『上半期8割』を目指して、円滑な事業の執行に努めている」と言明。
他方、昨日開会した6月定例県議会に県土整備部は、補正予算として一般会計306億円を上程したことに言及した吉田担当部長は「これが成立した暁には、補正分を含めた執行目標を改めて検討する予定でいる」との方針を示し、併せて「ICT活用工事や完全週休二日制モデル工事の試行など、建設産業の生産性向上や労働災害の減少、担い手確保の支援に努めていく」と強調。加えて「個々の取り組みについて色々な意見があることも承知しているが、持続可能な建設産業に向けて取り組んでいくので、みなさんも経営基盤の強化により、県民の安全で安心な県土づくりに一層のご支援ご協力を賜りたい」と要請し、祝辞とした。