白山市は、倉部町地内にある下水処理場「松任中央浄化センター」について水処理施設を増設するとともに、汚水処理施設共同整備事業(MICS事業)に伴い、受け入れ施設を整備する。事業費は水処理施設が約13億円、受け入れ施設が約12億円を見込む。16日の市議会産業建設常任委員会で市側が報告した。
松任北安田南部地区、横江町の土地区画整理事業施行区域内に進出するイオンモールをはじめとした大型商業施設や住宅地の整備のほか、老朽化が著しい公共下水道千代野処理場、徳光地区農業集落排水施設の統廃合などにより、汚水量の増加が見込まれる。
同センターの水処理能力は、標準活性汚泥法と回転生物接触法の両処理方式を合わせて約1万5500立方メートル/日。今後の流入量増加を考慮すると、現有施設では能力不足となることから、標準活性汚泥法1系列を増設して対応することにした。増設分の処理能力は7000立方メートル/日で20年度末の完成を目指す。
一方、し尿・浄化槽汚泥の処理を行っている松任衛生センター(白山野々市広域事務組合が運営、倉部町地内)、手取衛生センター(手取川流域環境衛生事業組合が運営、川北町朝日地内)は供用後約50年が経過し、老朽化が進んでいる。
このような状況を踏まえ、MICS事業として国土交通省の社会資本整備総合交付金を活用し、し尿・浄化槽汚泥受け入れ施設を松任中央浄化センター内に建設する。これに伴い、搬入路も整備する。21年度秋ごろの完成を目指す。白山市公営企業が事業主体となる。
この日は小規模下水道施設の再構築事業も示された。20年度までの第1期では、鶴来地域の農業集落排水(農集排)3施設を公共下水道に統合。第2期では松任地域の農集排14施設と千代野処理場を公共下水道に統合し、第3期では白山ろく地域のし尿処理施設などを特定環境保全公共下水道施設に統合するとした。