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北陸工業新聞社
2017/06/19

【新潟】200人参加、業界の未来探る/三蒲生コン協組が勉強会開く/コンクリートに誇りを

 三蒲地区生コンクリート協同組合(三条市須頃 中島宏司理事長)は16日、「H29生コンクリート勉強会」を三条市内の燕三条地場産業振興センターリサーチコアで開催した。後援は新潟県生コンクリート工業組合(村上典雄理事長)。
 この日は、官公庁職員やコンサルタント業者、施工業者、混和材メーカー、生コン関係者など200人を超える多くの人が出席し、今回で14回目の開催となった。
 会の冒頭、中島理事長は14回目の開催を迎えられた喜びを示した一方、他産業の景気の伸びを語り「我々業界は景気回復の波に乗れていない。国土強靱化を進めているが、県土の強靱化を図り、防災・減災を行うことが重要。さらなる公共事業費の確保をお願いしたい」としたほか、コンクリート舗装の拡大に期待を寄せていることを述べた上で「認知・周知が遅れ、拡大していないのが現状。公共事業に1カ所でも取り入れていただきたい」と呼びかけた。
 はじめに、一般社団法人セメント協会の飯田達郎氏が『コンクリート舗装について〜特徴と今後の技術的展望〜』と題して講話。アスファルト舗装は基盤材料として将来的にリスクが高いことなどを挙げ、高い耐久性、安いライフサイクルコスト、大型車の燃費向上、ヒートアイランドの抑制効果などのコンクリート舗装の有効性を説明した上で、短所であった早期交通開放が難しい点を解決する早期交通開放型コンクリート舗装『1DAYPAVE』の特長を紹介した。
 引き続き、新潟工科大学の地濃茂雄名誉教授が『コンクリート技術の変遷(木の文化と比較して)』をタイトルに講演を行い、古代ギリシャ・ローマから現代にかけてヨーロッパと日本の建造物を紹介し、近年の建設技術は格段に向上していることを解説。卓越した遮断能力を発揮してきたコンクリートを広報していくことの重要性を説き、「コンクリートがなければ今の生活はない。生命を守ることが我々の使命。誇りある仕事をしているということを再認識してほしい」と呼びかけた。
 また、丸山久一長岡技術科学大学名誉教授は『原子力発電所事故とコンクリート構造物』を演題に、チェルノブイリ原子力発電所事故の概要や福島第一原子力発電所の事故時の環境、放射性物質などを解説した上で、放射線の遮へいにおけるコンクリートの有効性などを紹介した。
 続いて、『コンクリート構造物の品質・技能向上対策を探る』をテーマにパネルディスカッション『みんなで話そう生コン談義』を行い、コーディネーターを地濃名誉教授、メーンパネラーを丸山名誉教授が務めたほか、受発注者らが登壇し、より良いコンクリート構造物の実現へ参加者とともに意見を交わした。丸山名誉教授が「技術向上を図りつつ、相互の共通理解を図ることが重要」とし、地濃名誉教授は「我々は世のためになっているということに誇りを持って頑張っていただきたい」とエールを送った。

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