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建通新聞社(東京)
2017/06/19

【東京】市場戦略本部 豊洲の安全・安心対策まとめ

 東京都の市場のあり方戦略本部の会合が小池百合子知事も参加して16日に開かれ、豊洲市場の安全・安心確保策として専門家会議が提言した地下ピット内や観測井戸への揚水ポンプ設置などの案を有効な案と判断、「地下水管理システムを適切に運用して地下水位を管理するとともに、システムの揚水機能により中長期的に水質を改善していく」との取組方針をまとめた。
 都が実施した地下水モニタリングによって環境基準値を超えるベンゼンやヒ素などが検出された豊洲市場の安全・安心対策については、専門家会議が@遮蔽(しゃへい)シートによるガス侵入の大幅な低減と、換気によるガス濃度の上昇防止A換気によるガス濃度の上昇防止と、コンクリートによるガス侵入の低減―の二つの案を提示していた。
 戦略本部では工期や工事費、維持管理、効果などを踏まえ、Aの案を有効な対策だと判断。
 具体的には▽既に設置済みの井戸の洗浄とポンプ交換▽地下ピット内への揚水ポンプの設置▽観測井戸への揚水ポンプの設置▽地下水位が高い箇所への吸水管の打ち込みと真空ポンプによる揚水―を実施し、地下水管理システムを適切に運用することで、「地下水位を管理するとともに、システムの揚水機能を発揮することで中長期的に水質を改善していく」ことができるとした。工事費として約20億〜25億円を見込むとともに、維持管理費として年間5000〜6000万円増加(現在は年間約2億4000万円)すると見積もっている。
 戦略本部では、課題となっている豊洲市場の地下への適切な措置を講じることで、「地上の安全に万全を期す」とともに、「正確な情報を分かりやすく発信することで都民の安心につなげる」ことが可能だとしている。
 小池知事は同日の定例会見でも市場問題について触れ、最終段階を迎えた戦略本部での議論の内容を踏まえて「総合的な判断をする」と述べた。23日告示の都議会議員選挙を前に、市場移転可否の判断を下す可能性が高いと見られている。

提供:建通新聞社