新たな管理型最終処分場の建設を目指す高知県は13日、第1回の候補地選定委員会を開いた。会では、埋め立て容量17万〜23万立方bで敷地面積5・5f以上である条件を満たす土地で、高知市中心部から自動車でおおむね1時間圏内の区域を選定エリアとすることを決めた。今後は、委員会で選定した調査対象地と、公募により参加申し込みがあった箇所で、ふるい分けを進め、11月までに複数の候補地を決める。さらに県による絞り込みと地元説明などを経て、2018年3月に建設予定地を決めたいとしている。
新たな管理型最終処分場については、既存のエコサイクルセンター(日高村本村)の埋め立てが予想を上回るペースで進み、最短で21年度末に満杯となることが見込まれていることから、16年度に「在り方に関する基本構想検討委員会」を5回開催。県内に新たな施設を整備する必要があり、公共関与の手法で、20年間を埋め立て期間とすることなどを盛り込んだ基本構想を策定した。この中で「候補地の選定はコンサルタントを活用し、有識者などを構成メンバーとする委員会により絞り込みを行う」としたことから、学識経験者や行政、廃棄物処理団体、消費者団体、経済団体関係者で構成する選定委員会を発足、土砂災害を専門とする高知大学の笹原克夫教授を委員長に選任した。
第1回会合では、候補地選定にあたっての基本的な考え方について、事務局を務める県林業振興・環境部が説明。全国都市清掃会議が示した「廃棄物最終処分場整備の計画・設計・管理要領」に基づき、他県の同様の事例も参考にしながら、候補地の絞り込みを進める。
選定エリアについては、利用者の利便性や県中央部の産業廃棄物の排出量を考慮し、高知市中心部から自動車で1時間圏内の範囲とし、そこから処分場の建設が困難な法規制区域などを除外するエリアを設定した。そこから全国の公共関与による被覆型の管理型最終処分場を参考に、5・5f以上の敷地が確保できる土地を選定した上で、地形的条件や生活環境、利水、土地利用といった項目で、2段階による絞り込みを実施。合わせて土地所有者、地元自治会長等、市町村を対象とした公募も受け付ける。
7月下旬に開催予定の第2回委員会では、該当市町村を公表。そこから1次スクリーニングを経て、9月上旬の第3回委員会で選定箇所数と大字を公表し、公募により応募のあった箇所数と大字も公表する。さらに絞り込みを進め、10月中旬の第4回委員会で選定箇所数を公表した後、現地踏査や概略施設計画案、概算事業費の算定による検証を進め、11月下旬の第5回委員会で複数の候補地を決定する。その後は、県が最終1カ所への絞り込みを行い、地元説明会を開くなどして合意形成を図るなどして、18年3月には建設予定地を決定したい考え。
順調に進めば、18年度から測量、地質調査、基本設計に着手。既存のエコサイクルセンターが最短で満杯になると想定されている22年9月までの新施設完成を目指すとしている。
提供:建通新聞社