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建設経済新聞社
2017/06/16

【京都】新しい働き方のヒントに 京都府らがセミナー開催 山内京建協副会長らの討議も

 京都府は15日、京都府社会保険労務士会との共催で就労環境改善サポートセンター(仮称)開設に向けた「新しいワークスタイルキックオフセミナー 〜人を大切にする京都ならではの働き方改革の推進〜」を京都市南区の京都テルサで開催した。
 冒頭挨拶で小山哲史京都府商工労働観光部雇用政策監は「有効求人倍率が1・49倍の売り手市場。中小企業にとって厳しい状況。安心して働ける職場環境づくりが重要」「京都テルサ内に就労環境改善サポートセンターが設置されるにあたりキックオフセミナーを開催した。是非サポートセンターをご利用いただきたい」と呼びかけた。
 特定社会保険労務士で産業カウンセラーの橋佳子氏が「誰もが働きやすい職場づくりについて」をテーマに基調講演。橋氏は「中小企業こそ働き方の見直しが必要」「大企業と比べ中小企業の情報が少ない。求職者の目に自社の情報が触れる機会をできるだけ多く確保する」などと語り、採用した社員の定着のポイントとして▽本人の希望ができるだけ尊重される配置▽メンターによる相談▽仕事の意義や重要性の説明などを挙げた。
 その後のパネルディスカッションでは、観光分野で京都府旅館ホテル生活衛生同業組合理事長の小野善三氏(竃ネ善代表取締役社長)、ものづくり分野で一般社団法人京都試作ネット代表理事の鈴木滋朗氏(轄ナ上インクス代表取締役社長)、建設分野で一般社団法人京都府建設業協会副会長の山内基義氏(葛、立工務店代表取締役社長)、日本労働組合総連合会京都府連合会事務局長の廣岡和晃氏、京都労働局雇用環境・均等室長の金井陽子氏の5人がパネラーとなり討議した。
 山内京都府建設業協会副会長は「地域間格差があり、例えば雪の多い北部は除雪や融雪剤の散布が必要になるが、ベテランでないとできず、若手を確保し育てていきたい」「職人が高齢化しており、若い人のなり手がない。工期短縮で工法が変わり、伝統の継承が難しくなっている」と訴えた。
 また京都府建設業協会の人材確保の取り組みとして、親子連れらが建設現場を見学する市民と工事のふれあい事業、高校生の現場見学会やインターンシップ、新入社員研修や新入・若手フォローアップ研修を紹介した。
 他のパネラーからは「実際の仕事内容をしっかり伝えることが大事」「働くことのその先を見据えることが重要」「新入社員にはできるだけ早い段階で任せることが大事」などの意見があった。