日本工業経済新聞社(埼玉)
2017/06/05
【埼玉】県地質調査業協会が第36回通常総会開催
埼玉県地質調査業協会(越智勝行会長)は5月31日、さいたま市内の浦和ワシントンホテルで、第36回通常総会を開き、任期満了に伴う役員の改選で、越智会長の続投を決めた。越智会長は第16代アメリカ合衆国大統領のエイブラハム・リンカーンの名言を協会運営に例え、「『協会員の協会員による協会員のための協会活動』ということで、我々執行部も頑張りますが、会員の皆さまも執行部を盛り立てて、一緒に全員で汗をかいていただきたい」と、1期2年の抱負を述べた。
冒頭、越智会長はあいさつで、国交省が推し進めるi-constructionの動向について触れ、「全国的にこの業界もAI(人工知能)が本格導入に動こうとしています。その前段には計画から調査、設計、すべての段階において3次元モデルを扱うCIMの話もあります。ロボット、人工知能などを駆使して、これからの21世紀は進んでいくということです。根幹に何があるかといえば、少子高齢化を迎えた担い手不足です。人がやらなくて済むことはやらずに済ませる。そうした中で技術革新が進んでいくのだと思います。しかし、忘れてはならないのは、やはり地質調査の原点は現場だということです。一生懸命に成果を上げ、信用、信頼の下、発注者の方々に、我々会員の技量を認めていただくことで、協会が発展していくのだと思います」と、置かれている環境下での業態としての在り方を述べた。
議事では、16年度事業報告・収支決算、余剰金処分案、17年度事業計画案・収支予算案、役員の改選について審議し、全議案を原案どおり、可決・承認した。
再任した越智会長は改めてあいさつに立ち、「これからは、執行部に何を求めるのかではなく、会員の皆さまが一般会員のために何ができるのかということを今1度考え直していただきたい。一般会員の方がバックアップしてくれなければ、県下全体の地質調査専業業者の総意である意見にはなりません。皆さんの意見が反映される場といえば1業務、1業務担当する業務の中にあると思います。業務の中にある共通の問題を各会社が同じように繰り返し声にすることが重要です。執行部全員が会員の皆さまと一緒にまい進して頑張りたいと思います」と、一層の結束を呼び掛けた。
17年度事業計画には、地質調査業の『社会的役割と責任』を認識し、経営基盤の確立と技術力の向上を図り、社会的地位の確立・向上を目指し、各種事業を推進する―とした基本方針を掲げた。
具体的には▽官公庁に対し地質調査業者(特に協会会員)の育成を要望する▽地質調査事業量の確保・拡大のための陳情活動を展開する―などを盛り込み、総務厚生・広報・技術の3委員会を中心に、協会活動を展開していく。
総会終了後は、越智会長が講師を務め、『独占禁止法の順守について』のテーマで研修会を行い、違反した場合の罰則や、最近の不当取引制限事例と、コンプライアンスに関するトピックスとして、問題となった事例を紹介。経営者のリスク回避の徹底を促した。
なお懇親会も開き、本年度の事業開始にあたり、各会員同士、親交を深めた。
※CIM(Construction Information Modeling / Management)は、調査設計段階から3次元モデルを導入し、施工・維持管理の各段階で、3次元モデルに連携・発展させることで、一連の建設生産システムの業務効率化や、高度化を図る取り組みのことをいう。合意形成の迅速化、業務効率化、品質向上、生産性向上などの効果が期待されている。