県の大規模スポーツ施設の在り方検討委員会の初会合が12日、鹿児島市のホテルウェルビューかごしまで開かれ、新たな体育館整備に向けて議論を開始した。2018年2月ごろまでに施設の必要性と機能等について提言をまとめる方針で、今回を含めて計4回開催する考え。なお、場所の選定は行わない方針だ。
検討委では、体育館の議論を先行。サッカースタジアムは、鹿児島市が3月に設置したサッカー等スタジアム整備検討協議会の審議状況、ドーム球場は慎重に検討することが必要なことから、事務局で情報収集を進める。今後、2施設については進捗状況等を報告することを確認した。
現体育館の現状をみると、場所は同市下荒田4丁目で、敷地面積は9931.72u。本館(1960年10月竣工)がSRC造地下1階地上3階建5677.42u。1階のアリーナはバレーボール2面の広さしかなく、2階と3階の観覧席は計約1800席ある。
敷地内には、補助体育館(S造平屋建て486.72u、72年10月竣工)と研修室(RC造2階建340u、67年7月竣工)もあり、体育施設の稼働率は年間90%程度で約18万人が利用している。
三反園訓知事は「整備に対する理解を県民から得る必要がある」とした上で、「国際大会も開催できるようなスポーツ振興の拠点としてはもちろん、コンサートやイベント開催など地域の交流拠点としての機能も考慮してほしい」と期待を寄せた。
委員からは「政府の未来投資会議で、地域活性化の核となるスポーツ施設を2025年度までに全国20カ所で整備する方針を示している」−などの意見も出た。
検討委は今後、第2回(9月ごろ)で施設の必要性について協議し、10月ごろ先進地の事例調査を予定。第3回(11月ごろ)は施設の機能などを話し合う。
■川西委員長 新しい価値観で
検討委の委員長には鹿屋体育大学の川西正志教授が就任した。
川西氏は「スポーツをする、見る、支える、という新しい価値観やアジアを見据えた視点を盛り込めれば」と話したほか、建設場所に関しては「アクセスなどの利便性については検討するが、場所については選定しない」と答えた。