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西日本建設新聞社
2017/06/14

【熊本】本紙コラム「大観望」

 「45`もの長さを10カ月も経たないうちに…」。5月31日、熊本地震で被災した白川・緑川堤防の復旧完了が国土交通省から報告され、流域住民は驚きの声をあげた。昨年の出水期は緊急対策で水害はなかったものの、激しい雨が降る度に不安な時間を過ごしていたと聞く。震災から2度目の梅雨を前に心から安堵したに違いない▼堤防復旧に際し、あるセミナーで講演した蒲島郁夫県知事の話を思い出した。知事は復興に対する考え方でハーバード大学のサミュエル・ハンティントン教授が唱えた『ギャップ仮説』理論を紹介。人々の期待に実態が追いつかないと不満を生むと言い、「期待値が小さいうちに実態を充実させなければならない」と訴えた▼まさに堤防復旧は、期待に先んじて早期完成したという実態≠ェ住民を満足させているのではないだろうか▼震災から1年が経過し、公共や商業施設、道路などの供用開始年が示され始めている。言うまでもなく事業者や施工者にとっては厳しい目標とは思うが、将来に希望が持てる出来事なのは確か。県民の期待が膨らむよう次なる復旧復興アナウンスを期待したい。(豪)

提供:西日本建設新聞社
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