県中部総合事務所は、三朝町牧地区の急傾斜地を対象にした崩壊対策事業について、ジーアイシー・鵬JVに詳細設計を委託した。4年前に基礎調査を実施するなど整備に向けた準備を進めていたもので、今年度末までに具体的な工事計画をまとめる見通し。
同町牧地区は天神川の左岸側にある集落で、国道179号と急な斜面に挟まれた区域に多くの民家が並んでいる。また、下流域には中国電力の牧発電所もあり、法面が崩落すれば大きな災害につながる危険性があるため、早くから急傾斜地崩壊対策事業の実施が要望されていた。
また、昨年10月の地震では、同地区の2カ所で斜面が崩落する被害も発生しており、このエリアの整備については今年度から治山事業を導入して、法面を整備するための計画づくりが近く始まる。
具体的な整備の内容については、同JVに委託した調査で明らかになるが、設置する待ち受け擁壁と落石防護柵の延長が540b余りとみられるほか、600平方b程度の区域で法面を整備する見通し。
同事務所県土整備局では、5億3000万円の事業費を見込んでおり、今後は地元と調整しながら全体の工事計画をまとめていく。
日刊建設工業新聞