農林水産省九州農政局は、国営土地改良事業地区調査「喜界地区」を進めている。取水施設等の機能回復や新たな畑地かんがい用水の確保を目的に実施。現時点の主要工事案は、地下ダム1基のほか、揚水機2基や用水路21kmの新設、既存施設の改修など。農業用水を安定的に供給し、農業経営を支援する。
調査内容は、@新設施設と既存施設を併せた地区全体の効率的な施設計画A既存施設の劣化状況を総合的に判断した改修B園芸作物への転換など地域の営農計画に基づく用水計画−を検討する。調査は18年度まで実施し、事業化を目指す。
同地区の基幹的な農業水利施設は、国営喜界土地改良事業(1992年度〜2003年度)により造成。施設の経年劣化や石灰分の付着による地下ダム取水施設等の機能低下によって、農業用水の安定供給に支障を来しているほか、受益地以外の農家からは新たな畑地かんがい用水の確保が要望されている。
整備によって、農業水利施設の機能回復や維持管理の軽減が図られ、さとうきびから収益性の高い園芸作物への転換で農業所得の向上に期待が寄せられている。
主要工事案は、地下ダムの新設と既設改修を各1基、揚水機場は新設2基と改修4基、ファームポンドは新設3基と改修1基、水管理施設一式も整備したい考えだ。