建設新聞社
2017/06/08
【東北・秋田】市立秋田総合病院が改築基本設計プロポ/新病院は396床で約3万2000u
地方独立行政法人・市立秋田総合病院は、市立秋田総合病院の改築に向け、基本設計業務の委託先選定へ公募型プロポーザルの手続きを開始した。
参加資格は、秋田市の建築関係建設コンサルタント業務の建築一般部門に登載されている2社または3社による自主結成のJVで、代表者以外の構成員はすべて秋田市に本社を有することなど。また、管理技術者は、単独または共同企業体の管理技術者、総合業務分野の主任技術者またはこれに準ずる立場として、病床数が300床以上の新築または改築工事が完成した病院の基本・実施設計の業務を行った実績があることなどとしている。
参加表明書の提出期間は今月21日から27日までで、30日に技術提案書の提出を要請する。提案書は8月7日まで受け付け、第1次審査の書類審査を行い5者程度を選定、9月16日に公開プレゼンテーションを実施し、同月下旬に最終審査の結果を通知する。
技術提案の特定テーマは▽患者さんの笑顔のための施設整備=高齢者や障がい者などさまざまな患者に配慮した配置・平面計画や、狭あい地で高低差がある現敷地を考慮した敷地利用計画と動線計画について▽人が育つ働きがいのある施設整備=スタッフが利用しやすいよう関連する部門の近接性や人や物の流れを考慮し、業務効率の向上を図る配置部門について▽多様化する医療の変化に対応可能な施設整備=将来の改修などに対し、構造や仕上げなどのフレキシビリティを確保するための施設整備方針について▽経営の視点を考慮した施設整備=建設事業費を含めたライフサイクルコスト抑制策として、材料や設備、構造、工法などの採用や工期の短縮化などのほか、災害に強い病院づくりについて▽地球環境に配慮した施設整備=環境に優しい施設整備方針や秋田市の気候・風土などについて―。
審査は、上野淳首都大学東京学長が委員長を務め、学識経験者や秋田市関係者、同病院病院長など6人で構成されるプロポーザル審査委員会で行う。
新病院は、病床数396床程度(ICU6床、結核病床12床、第2種感染病床4床など含む)で、延床面積は約3万2000平方b。また、付属駐車場は2層3段自走式立体駐車場で約210台分を駐車可能な面積とする。主要構造は病院棟がRC造またはSRC造、付属駐車場はS造と想定しており、基本設計で決定する。病院棟の予定工事費は約147億2000万円、付属駐車場・外構は約7億7000万円としている。
基本設計業務にあたり現病院および新病院を運営しながら改築工事を進めるため施設の配置・整備手順について計画することや、バーチャルリアリティ作成による空間計画の検討などを求めており、基本設計の履行期限は2018年5月31日まで。契約限度額は1億0768万6800円(税込み)。
実施設計には18年6月から着手、19年6月までに完了させる。建設工期は2019年度から22年度までを予定しており、同年度内の開院を目指す。
現在の同病院は秋田市川元松岡町4の30地内に建つ、RC造一部S造地下1階地上8階建て、延べ2万8707平方bの施設。築後30年以上が経過し、設備の老朽化に加え、1室6床の多床室が多く、1人当たりの面積も少ないことなどから改築を立案した。
提供:建設新聞社