愛媛県は、JR松山駅付近連続立体交差事業の高架橋建設に2017年度から着工する。17年度は2地区での着工を計画しており、工事は県がJR四国(高松市)に委託し、入札から施工管理までJR四国が行う。着工箇所は味酒踏切〜朝美踏切間延長約300bの一部と千舟町空港線〜中之川通線間延長約300bの一部。発注に向け県とJR四国で調整しており、時期は未定。
高架事業は、JR松山駅付近の延長約2・4`を高架化するとともに軌道両側に側道を整備する。松山市美沢2丁目を起点とし終点は空港通1丁目。高架化により8カ所の踏切が除去される他、千舟町空港線の地下道は埋め戻され平面交差となる。
除去される踏切は味酒踏切、萱踏切、朝美踏切、辻踏切、南江戸踏切、松山第2踏切、竹原踏切、前側踏切。
08年2月に都市計画決定、09年2月に鉄道高架の事業認可を受け10年3月にJR四国と工事基本協定を締結し、10年度から事業着手。13年度から用地取得に着手しており、17年3月末時点の進捗率は約9割となっているが、一部用地の取得が長期化している箇所があることから、当初計画の21年3月事業完了を24年度まで期間延長することとなった。今後、工事工程を抜本的に見直すため、年次計画は未定。
高架事業用地の敷地は、現軌道を含む幅員約18b。現軌道西側の用地を買収している。高架橋は現軌道西側に建設し、左右に側道を整備する。西側の側道は高架橋建設時の工事用道路として活用され、県が整備する。東側の側道については高架切り替え後に県が整備する。
高架化に伴う関連として整備が進められている市坪駅付近の行き違い線整備は17年7月に完了。伊予市上野、上三谷〜松前町で進められている車両基地・貨物駅移転整備(約6・3f)の造成や道路整備など基盤整備はおおむね17年度で完了し、今後、軌道敷設や建物建設が行われる。
立体交差事業の総事業費は約345億円を見込む。
高架化により交通渋滞が解消され交通の円滑化が図られる上、連続立体交差事業として西側駅前広場の新設や幹線街路整備による駅西側から松山駅への直接アクセス、路面電車の延伸、停留所の移設による交通結節点としての利便性・快適性が向上する。
提供:建通新聞社