国土交通省は6月1日、高松市で開いた四国ブロック監理課長等会議(入札契約担当課長会議)で、参加した4県と担い手3法のさらなる浸透に向けた申し合わせを行った(写真)。同省と4県が「施工時期等の平準化」、「効果的なダンピング対策の徹底」、「社会保険等加入対策」に一致して取り組む。
ブロック会議では▽担い手3法の着実な運用(施工時期などの平準化の推進、ダンピング対策の徹底)▽将来の建設市場を見据えた入札契約制度など(完全週休2日制の確保の推進、地域インフラの効率的な維持管理に向けた入札契約方式、建設業の振興を図るための中長期ビジョン・構想の策定)▽社会保険等未加入対策(下請けも含めた未加入業者の排除「1次下請け、2次以下」、積算における法定福利費の計上)―について四国4県の入札契約担当者らと意見を交わした。
国交省は2カ年国債やゼロ国債などの活用が施工時期の平準化に効果を発揮していることから、同会議で4県から取り組み状況や課題などを確認。高知県ではすでにゼロ県債に取り組んでおり、他の3県のうち本年度にゼロ県債の設定に向け、議会と調整する県もあるなど、前年度より「施工の平準化」で進展が見えている。
また、都道府県における▽さ(債務負担行為の活用)▽し(柔軟な工期の設定「余裕期間制度の活用」)▽す(速やかな繰り越し手続き)▽せ(積算の前倒し)▽そ(早期執行のための目標設定)―の「さしすせそ」の取り組み状況を四国管内で把握。特に、速やかな繰り越し手続きにおいて、財政部局や議会との調整に課題がある一方で、速やかな繰り越し手続きが平準化に資するとした、議会側の認識があることも分かった。
同会議では平準化を進める上で、どの程度進展したかを把握する公表データを指標として作成する方向性を提示。平準化対応予算の割合などのイメージも示した。今後、国交省では指標の定義や設定方法、情報の取り扱いなどについて都道府県の意見を踏まえて調整する。
社会保険等加入対策では四国4県の中で国交省と同様に2次以下の下請け未加入対策の周知期間に入り10月から取り組む団体や、1次下請けの金額要件の廃止による社保未加入対策の拡充などの取り組みが報告された。
提供:建通新聞社