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日本工業経済新聞社(群馬)
2017/06/05

【群馬】群馬建築士会・第6回定時総会を開催

群馬建築士会(田仲豊会長)は5月31日、前橋市内の群馬建設会館で第6回定時総会を開催した。会員増強への取り組みなどを盛り込んだ事業計画案や収支予算書案などについて審議、全会一致で承認された。当日は県県土整備部建築課の佐藤雅彦課長をはじめ、前橋市の倉嶋敬明副市長、群馬県建設業協会の須藤文規専務理事など数多くの来賓が駆け付けた。
事業計画案では◇行政および他団体との協調◇建築士の能力開発・資質向上◇建築士試験の実施等◇地域貢献活動◇会員の増強および会員の連絡、親睦◇災害発生時の協力◇調査、研究、販売等−の7項目を掲げ、事業を進める。
冒頭、田仲会長は建設会館の建て替えにより最後の総会となることを報告し「近年、会員の減少が顕著ですが、県内の官公庁や民間企業にお勤めの方、それぞれの職場で活躍している建築士の方々に建築士会での活動を再認識していただき、ご理解していただいて、会員増強を図っていきたいと思っております。建築士法改正に伴う講習会、災害時における防災体制の確立・連携など、市町村のまちづくりに対する協力、伝統建築物の調査など建築士会としてできることをこれからも会員同士の交流と向上を図り、魅力ある建築士会を築いていきたい」と協力を呼び掛けた。
佐藤課長は日ごろの建築行政への感謝を述べ「ことしは県政の新たな羅針盤である第15次総合計画がスタートして2年目を迎えます。魅力溢れる群馬の実現に向け、交流促進により産業を活性化させるために、人・モノ・情報を呼び込む拠点となるコンベンション施設の整備を重点的に推進するとともに、移住促進を図るためにオール群馬で移住者の受け入れ環境の整備に取り組んでまいります。近年、建築分野は既存ストックの有効活用に確実に移行してきており、来年4月に施行される改正宅地建物取引業法においては既存住宅の流通促進に向け、インスペクションが制度化されることになりました。本制度が積極的に活用されることで、県民が安心して中古住宅を取引できる環境が整備され、本県への移住定住の促進や空き家対策に対して大きな効果がみられると期待しております」と語った。
倉嶋副市長は「建築物は時代とともに量から質へと求められるものが変わってきた。まずはバリアフリーが必要になり、震災などが起こる中で耐震診断が義務化され、一定規模以上の商業施設や公共施設も含めて耐震診断結果が公表されている。民間商業施設については耐震対応が求められており、皆さまのお力をお借りしている。また近年は、人口減少を原因とする空き家対策に取り組んでおり、空き家リフォームの相談窓口にも皆さんに入っていただいている。今後とも空き家対策がスムーズに進むためにも皆さまのお力が必要です。皆さまと連携しながら市民のための政策づくりにご協力をお願いします」と述べた。
須藤専務理事は16年度の建設業界を取り巻く環境を振り返り「事業量の確保も大事だが、それ以上に業界で大きな問題となりつつあるのが、人材の確保です」と訴え、40万人いる大工人口が30年には14万2000人にまで減少するという見通しを報告。大工一人が手がける住宅戸数は約1・5倍になるという。また、1年間に起きた建築や都市の話題に触れ「会員の皆さまが敏感に感じ取り、さまざまな情報収集・発信をし、群馬建築士会がさらなる建築士の技術向上と社会貢献に寄与することを心より願っております」と話した。
このほか来賓には県県土整備部住宅政策課の木村功一課長や群馬県建築士事務所協会の栗原信幸会長、群馬県建築構造設計事務所協会の井野公雄会長、群馬県鐵構業協同組合の今泉嘉一郎副理事長、日本建築家協会群馬地域会の飯井雅裕代表幹事、群馬県設備設計事務所協会の羽川晴夫副会長などが総会に駆け付けた。
また、総会に先立ち建築士会の発展と社会福祉の増進に大きく貢献したとして12支部から30人が会長表彰に輝き、代表で藤岡支部の中村喜八郎氏が賞状と記念品を授与した。さらに関東甲信越建築士会ブロック会から福島建築設計事務所(前橋市)の鈴木康彦氏が表彰され、会場は大きな拍手に包まれた。