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建通新聞社(神奈川)
2017/06/05

【神奈川】横浜に26年国際園芸博を誘致へ 10月に基本構想素案 市の検討委が初会合

  横浜に国際園芸博覧会を誘致へ―。学識経験者で構成する市の検討委員会(委員長・涌井雅之東京都市大学特別教授)が6月5日に初会合を開き、2026年開催を目指して取り組みを進めることを確認した。会場予定地は旭区と瀬谷区にまたがる旧上瀬谷通信施設の敷地。検討委では7月以降の会議で事業コンセプトや会場計画などを検討し、10月に基本構想素案をまとめる方針だ。
 園芸博の誘致は、6月4日に閉幕した「全国都市緑化よこはまフェア」の成果を継承させ、横浜の魅力をさらにアピールすることなどが目的。検討委の冒頭にあいさつした横浜市の渡辺巧教副市長は、「招致によって土地利用を促進し、地域の知名度やイメージも高め、先導的なまちづくりの推進につなげていく」との考えを示した。
 初会合では、今後の検討事項を確認するとともに、各委員が誘致成功のための考えを述べた。日本造園建設業協会の和田新也副会長は、多くの博覧会を目にしてきた経験から、「バーチャル展示も良いが、『本物』を見せることが成功につながる」ことを強調。涌井委員長は、長期的な視点に基づく、理念・計画づくりが必要だとした。この他、市が国有地部分の活用を中心とした開催を地元に説明していることを明らかにした。
 検討委では今後、事業コンセプト(7月)、会場構成・関連基盤整備(8月)、面積規模・跡地利用・会場計画・関連施設計画・概算事業費(9月)などを検討する。これらを踏まえた10月開催の第5回会議で基本構想素案をまとめる。その後、市民意見募集などを経て、基本構想の市案をまとめ、関係する国際機関への申請につなげる考え。
 旧上瀬谷通信施設242fは、戦後の長期間、米軍に接収されていたが、15年に返還された。現在の土地所有状況は、国有地と民有地がそれぞれ45%程度を占め、残り10%弱が市有地となっている。地権者数は250人程度。また、ほぼ全域が市街化調整区域で、接収されていた間は土地利用が制限されていたため、土地利用は耕作がほとんど。道路や上下水道などのインフラ整備が遅れている。
 なお、検討委メンバーには、涌井委員長の他、委員長代理を務める岸井隆幸日本大学教授、池田典義横浜商工会議所副会頭、坂田宏サカタのタネ代表取締役社長、隈研吾東京大学大学院教授らが名を連ねた。また、農林水産省と国土交通省がオブザーバー参加した。
 提供:建通新聞社