建設界の担い手確保対策について県内の建設関係団体、教育機関、行政機関らが話し合う「北陸建設界の担い手確保・育成推進協議会」の石川県部会(部会長・富山英範北陸地方整備局金沢河川国道事務所長)の17年度第1回会合が2日、同事務所内で開かれた。
石川労働局から報告された県内建設分野の職業別求人倍率(16年11月時点)によると、「建設躯体工事の職業」が9・76倍、「建築・土木・測量技術者」が9・10倍、「建設の職業」が8・34倍、「土木の職業」が4・40倍、「電気工事の職業」が3・53倍といずれも高い水準となっている。
高校の就職担当教諭からは「建設業界へ就職を希望する女生徒も増えてきた」、「就職にあたっては生徒、保護者ともに給与、休日は重大な関心事」といった意見があった。
日本建設業連合会北陸支部からは「女性の採用枠を増やしている」、県測量設計業協会からは「女性が熱心に就職活動している」、県地質調査業協会からは「生徒はもとより先生方にも地質調査業があまり知られていない面がある」、コンサルタンツ協会北陸支部からは「団塊の世代の退職は新規雇用では埋めきれないので、再雇用で対応している。一方でアイ・コンストラクションでは若い世代が戦力の中心になる」といった意見があった。
石川県土木部は「すそ野を広げるという意味で工業系の高校に限らず、普通科高校での説明に力を入れている」とした。
金沢工業大学の川村國夫教授は「役所を含めて完全週休2日制をはじめとする労働環境の改善を本気で考えないと後継者不足は改善しない」、「過疎化による自治体消滅が叫ばれる中、30年後、50年後の社会インフラのあり方について、行政側の意思表示がないと学生の不安要素となる」などと提言していた。