東京都の小池百合子知事は6月1日、2017年第2回都議会定例会の開会に当たって所信を表明し、「都民ファースト、情報公開、賢い支出の3原則を徹底し、セーフシティ・ダイバーシティ・スマートシティの三つのシティを実現する。この“東京大改革”を成し遂げることこそが知事としての最大の目標だ」と述べた。その上で、安全・安心なまちづくりのため「倒れない・燃えないまちとして、無電柱化や延焼遮断帯の形成、防災生活道路の整備、不燃化特区の取り組みをさらに促進していく」との考えを示した。
小池知事は、都政改革の一環として進めている入札契約制度改革について「都民に疑念を抱かれないための透明性を確保する。業界団体へのヒアリング結果を踏まえ、中小の事業者に配慮して実施方針を見直した上で、6月下旬に試行に取り組む」と説明した。
豊洲市場への移転問題については「水産物の取り扱い環境の変化を踏まえ、市場の経済合理性や持続可能性も検討し、的確な結論を導く必要がある」と持論を展開。市場業者や流通業界、生産地などの意見も聞きながら、市場の在り方戦略本部で集中的・戦略的に総点検した結果を基に「行政のトップとして東京の未来に責任を持った総合的な判断を行う」と述べた。
「三つのシティ」の実現のための取り組みについては、引き続き都民とともに加速させる意向を表明。倒れない・燃えないまちづくりに向け、「無電柱化の推進や延焼遮断帯の形成、防災生活道路の整備、不燃化特区の取り組みをさらに加速し、20年までに延焼による市街地の消失をゼロとする“燃えないまち”を実現する」との意向を示した。
持続的な成長に向けた施策では、都が所有する土地・建物を活用した保育施設の整備、国家戦略特区による都市公園内への保育所設置の特例を例に挙げ、「引き続き都が全国の取り組みをけん引するとの気概の下、施設の整備促進に知恵を絞っていく」との方針を打ち出した。
未来を見据えた都市づくりの重要性についても触れ、「新たな価値を生み続ける場として世界中から選択される都市、あらゆる人が多様なライフスタイルを選択できる都市―を目標に掲げた、都市づくりのグランドデザインを今夏に取りまとめ、持続的に発展する高度熟成都市を創り上げる」と語った。
提供:建通新聞社