建通新聞社(神奈川)
2017/06/01
【神奈川】複合化対象は学校、市民利用施設、社会福祉施設、市営住宅 エリア定め「再編整備」「建て替え施設」の構想 公共施設再編整備方針の検討で 横浜市財政局
横浜市財政局は公共建築物再編整備方針の策定に向けた検討で、複合化などの対象施設に▽学校▽市民利用施設▽社会福祉施設▽市営住宅―の4種類を選んだ。また、複合化などを考えるエリアを定め、導入機能や施設規模・配置の最適化、整備手法などを固めた上で、地域との合意形成を図りながら「再編整備」と「建て替え施設」の基本構想を一体的に検討・具体化するプロセスを整理した。これらを盛る方針の骨子を近く固め、8月までに有識者らに意見を聞く。
公共建築物再編整備方針は、老朽化に伴う建て替えの平準化やまちづくりの視点を踏まえた複合化などを全庁的に進めるため策定する。複合化や跡地・跡施設の活用などを通じて▽地域ニーズにマッチしたサービスの提供▽多世代交流や異文化交流の促進▽市民サービスの向上・拡大▽利便性向上と財源確保―につなげるのが狙いだ。
複合化などの対象に選んだ4種類の施設は地域コミュニティーやまちづくりとの関連が強いもので、学校は教育委員会が5月に建て替えの基本方針を定めた小・中学校とした。市民利用施設は地区センターや公会堂、図書館など、社会福祉施設は地域ケアプラザや老人福祉センターなどで、市営住宅に関しては建築局が2018年度内に再生計画をまとめることになっている。
一方、再編整備と建て替え施設の基本構想を具体化するプロセスを見ると、まず地区別の人口動態や施設の立地・築年数、将来的な地域ニーズなどを確認・整理して、複合化などを考えるエリアを設定。これに続き、市民ニーズの持続的な提供や施設・部屋の共同利用といったソフト面とともに、市民サービスに応じた導入機能と▽複合化▽個別建て替え▽再配置―による施設規模・配置の最適化、将来の増築や用途転換に配慮した施設計画などのハード面を検討する。
さらに跡地活用を含めたエリア全体のコストを検証して整備手法を決定。機能に応じてPPPやPFIといった手法で民間事業者のノウハウを活用する他、サウンディング型市場調査などで跡地活用の実現性を確認するとした。
骨子に対する意見を聞く有識者らは公共建築物マネジメントやまちづくり、地域コミュニティー、学校、公民連携などの専門家。10〜11月の市民意見募集、12月の案作成を経て、12月末〜18年1月の策定・公表を予定している。
提供:建通新聞社