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建通新聞社(東京)
2017/05/30

【東京】都入契制度改革、試行内容を決定

 東京都財務局は、入札契約制度改革の実施方針に基づき6月26日に開始する試行の内容を固めた。予定価格の事後公表に当たり、工事を「建築」「土木A」など4グループに分け、グループごとに大まかな価格帯を事前公表するとともに、積算に要する時間を確保するため契約手続き期間を延長する。低入札価格調査制度の適用拡大に伴い、過去の工事成績などを基に失格基準を定める他、調査基準価格の上限値を予定価格の「90%」に設定する。
 都が試行する入札契約制度改革は@予定価格の事後公表AJV結成義務の廃止B1者入札の中止C低入札価格調査制度の運用範囲の拡大―の大きく4点。予定価格の事後公表は原則として全ての知事部局の工事、それ以外は財務局が契約する比較的規模の大きな工事で実施する。
 予定価格は、現在は非公表としている最低制限価格・調査基準価格と合わせて入札経過調書と同時に公表する。
 また、業種を「建築」「土木A」「土木B(道路舗装)」「設備」の4グループに分け、グループごとに「工事発注規模一覧表」として価格帯(大まかな予算)を設定。電子調達システムの年間発注予定情報に記載するとともに、入札公告(公表)時にも表記する。
 応札者全員が予定価格を超過して落札候補者がいない場合、原則として同一日に2回まで再入札を行う。
 入札参加者の積算に必要な時間を確保するため、契約手続き期間を現行よりも1週間程度延長する。設計図書は原則として案件の公告時に公表し、図面の詳細化や積算内訳書での数量表示、工程表の公表など情報を詳細化する。
 共同企業体(JV)結成義務を廃止して混合入札の対象とするのは、財務局案件のうち予定価格が「建築6億円以上」「土木(橋梁、河川、水道施設、下水道施設、一般土木)5億円」「設備(電気、給排水衛生、空調)2億5000万円以上」の工事。
 規模に応じて単体または2〜3者JVで入札を実施することとし、発注規模に応じたJVの構成員数などを明確化する。総合評価方式の取り扱いの一部も改正し、「都内中小企業とJVを結成した場合」を加点対象とする。
 1者入札を中止するのは、財務局が契約する競争入札工事のうち予定価格が「建築3億5000万円以上」「土木2億5000万円以上」「設備4000万円以上」の案件。公表時にその旨を記載し、中止した場合は申請者に電子調達システム上で中止通知書を送信。発注予定案件一覧の件名欄にも中止したことを表示する。
 低入札価格調査制度を適用するのは、財務局契約案件のうち予定価格が「建築4億4000万円以上」「土木3億5000万円以上」「設備2億5000万円以上」の工事とする。現在の特別重点調査基準を失格基準に改め、例えば過去の工事成績評定で65点未満があった場合は失格にする。都の工事の履行状況も調べ、下請け事業者を含めた社会保険の加入状況などを確認する。社会保険未加入が判明した場合、指名停止などの措置を講じる。
 最低制限価格と調査基準価格の算定基準は、中央公契連モデルに沿って改定し、0・95としている直接工事費の算定割合を「0・97」に引き上げる。合わせて調査基準価格の上限を予定価格の「90%」に設定する。解体工事については直接工事費の算定割合を「0・8」とする。

提供:建通新聞社