第68回全国植樹祭とやま2017は28日、天皇、皇后両陛下をお迎えして、魚津市の魚津桃山運動公園で開催され、森・川・海のつながりや多様な森づくりに向けた取り組みが全国に発信された。両陛下は花とみどりの少年団の子供たちと、苗木6種類の「お手植え」と種子4種類の「お手播き」などに臨まれた。
「かがやいて 水・空・緑のハーモニー」を大会テーマに、県内外から約7500人が参加。プロローグに続いて、記念式典が始まり、ファンファーレが響く中、両陛下は石井隆一知事の先導で入場し、県産材を使ったお野立所に着席した。大会長の大島理森衆議院議長が「国民参加の多様な森づくりや森林資源の循環利用を一層促進する契機とし、大切な日本の国土を次の世代に継承していく活動が全国に広まることを期待している」と述べ、石井知事は「富山県では、森づくりと海づくりの連携が進み、森林整備、里山再生などに取り組んでいる。美しく豊かな自然環境の保全、多彩な伝統文化の継承・発展、農林業も含めた産業振興を総合的、計画的に推進していく」とあいさつした。
陛下は、県が開発した優良無花粉スギ「立山森の輝き」のほか、コシノヒガンとヒメコマツを、皇后さまはコシノフユザクラ、キタコブシ、ホオノキを植樹。エドヒガン、タブノキ、ヤマザクラ、マルバマンサクの種も両陛下でまいた。
越中万葉の歌唱、中学生のメッセージ発表による大会テーマのアピールに続き、国土緑化推進機構の佐々木毅理事長が緑化運動のさらなる展開を図ることを宣言。石井知事から、次回開催県である福島県の内堀雅雄知事に植樹祭のシンボルである「木製の地球儀」が手渡された。
エピローグでは、富山の伝統芸能披露、森づくりボランティアのメッセージ発表が行われ、出演者全員が県民愛唱歌「ふるさとの空」を大合唱し、グランドフィナーレを迎えた。
桃山運動公園を含む▽朝日赤川▽入善五十里▽黒部田籾▽魚津三ケ▽滑川運動公園▽滑川総合公園―の7カ所に植樹会場が設けられ、28種類計1万本を植えた。
県内での開催は69年5月の頼成の森(砺波市)以来、48年ぶり2回目となる。